カリフォルニア州バーリンゲーム発--オープンソースのJava開発ツール、Eclipseの人気が高まっているが、同ツールの開発を管理するEclipse Foundationは、この人気を利用して、新たな分野の取り組みを行おうとしている。そのなかには、組み込みシステム用のプログラム開発や医療分野の標準化団体との協業など、さまざまなものが含まれる。
Eclipse Foundationのメンバー各社は米国時間1日、当地で開催中のイベント「EclipseCon」で、これらのプロジェクトに関する提案の詳細や、進行中のプロジェクトに関する詳細を明らかにした。ここで発表されたプロジェクトは、Eclipse Foundationにより運営されることになる。
Eclipse Foundationは、過去2年間で、参加ソフトウェアベンダーの数が大幅に増加しており、3日間にわたって開かれる「EclipseCon」も満員札止めの盛況ぶりだ。
Eclipseソフトウェアは、1つのアプリケーションのなかで複数のツールを組み合わせて使える仕組みになっている。そのため、これを利用するプログラマは、たとえば同じインターフェースから、コードエディタとテストツールの両方を使うことができる。
Eclipseは無償でダウンロードできるほか、同ソフトウェア用に書かれたプラグインも数多く存在することから、Javaの開発者やソフトウェアメーカーの間で同ソフトウェアを採用する動きが加速している。それでも、Eclipseの「プラットフォーム」をさらに多くの分野へ拡大することは可能だと、同グループのメンバーは指摘する。
Computer Associates International(CA)のRobert Levy(データおよびライフサイクル管理製品担当シニアバイスプレジデント)によると、同社は来月にも、システム管理分野のプロジェクトを提案する予定だという。同社は今年、Eclipseの理事会メンバーとなることが決まっている。
Levyによると、CAは、稼働中のアプリケーションを容易に管理するための提案を行うという。システム管理製品を使ってアプリケーションのパフォーマンスを簡単に追跡するための「部品」を、プログラマが開発中のアプリケーションに組み込めるようなソフトウェアを作ることが狙いだという。
CAの提案は、現在開発中のアプリケーションを、簡単に管理できるものにすることを狙いとしている。具体的には、システム管理製品を使ってアプリケーションのパフォーマンスを簡単に追跡できるようにするために、プログラマがアプリケーションに「インストルメンテーション」を追加できるような、幅広く利用されるソフトウェアを開発するというものだと同氏は述べた。
このソフトウェアはまた、アプリケーションが開発段階から運行段階に移行する際に生じる支障を減らすことも狙いとしているとLevyは付け加えた。Microsoftも「Visual Studio 2005 Team System」の一部として、これと似た技術の開発を進めている。
この他、Eclipseでは特定市場向けのアプリケーション構築用ツールの開発プロジェクトも進んでいる。Eclipseは特に医療分野の標準化団体と協業する方法を探っているところだと、同グループのMike Milinkovichは述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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