ニューヨークで開催中のイベント「Search Engine Strategies」(SES)のオープニングセッション「The Search Landscape」は、用意された席が一杯になり、立ち見も出るほどの盛況ぶりだった。同セッションでは、研究者らが市場動向を分析して、最新のトレンドを示してみせた。
SESイベントがこれだけの大盛況を博すのは、GoogleやYahoo傘下のOverture Servicesの影響で検索広告に注目が集まっているためだ。収益率が高いことや広告対象を効率的に絞り込めることが、検索広告の人気の理由だ。主催者によると、今年のSESには1500人以上の人が来場する見込みだという。来場者1500人というのは、ドットコムバブル崩壊前の2000年と比べると5倍近くに相当する人数だ。なお、昨年の来場者数は1100人だった。
検索業界が成熟期を迎えたことを受け、投資家や広告主、新興企業は、独自の戦略を打ち出したり、投資先を評価したりするために、業界の傾向をより深く知ろうとしている。このイベントは、そういったニーズに応えるために開催されたと言っても過言ではないだろう。
Nielsen/NetRatingsの調査によると、Googleは検索市場の47%を占めるという。Nielsen/NetRatingsは、特定のウェブサイトにアクセスする際に、ユーザーが利用した検索エンジンを調べて、この数値を算出した。なお、Yahooのシェアは21%、MicrosoftのMSNは13%だった。
だが、Nielsen/NetRatingsのアナリストKen Cassarによると、この3つの検索エンジンサイトを重複して利用する人は多いという。Googleユーザーの42%がGoogleのみを利用しているのに対し、残り58%はYahooやMSNも使っている。Yahooの場合は、ユーザーの71%が他の検索エンジンも利用しているという。
検索エンジンの多くは、ユーザー離れを防止する目的でさまざまなアプリケーションを導入している。その一例としてツールバーが挙げられる。ツールバーは、ウェブブラウザ上の所定の位置に検索ボックスを表示したり、ポップアップ広告やスパイウェアをブロックしたりするために利用される。ComScore Networksによると、各検索サイトへのトラフィックの20%がツールバー経由だという。
それでも、十分に活用できない、ウェブブラウザに問題が発生したなどの理由から、ツールバーをアンインストールするユーザーは多い。ComScoreによると、ツールバーをインストールしたユーザーの12%が、後にこれをアンインストールしていたという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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