XtremeMac社長のGary Bartは1月はじめにサンフランシスコを訪れ、Apple Computerの最高経営責任者(CEO)Steve JobsがiPod Shuffleを発表する様子を招待席で見た。
その数日後、Bartはさっそく荷物をまとめて中国に飛んだ。同氏はそれ以来、iPod Shuffle向けに14種類の新しいアクセサリをつくり出そうと無我夢中で取り組んでいる。競争の激しいiPod用周辺機器の市場で儲けるには、こうした生活をしなくてはならない。
iPodの驚異的な売り上げは、アクセサリ製品を販売する他社にも大きなチャンスを生み出した。だが、美味しい思いをしているのは、Appleと歩調を合わせることができたところに限られる。Appleは2001年後半に最初のモデルを出してから、これまでに6種類以上のiPodを投入してきた。
Appleが販売した1000万台のiPodのうち、75%以上は昨年販売されたもので、そのうち40%が2004年の10〜12月の3カ月間に販売されている。そして周辺機器の売上もこれと同じような曲線を描いている。
「12月の1カ月分の売上と、残りの11カ月分の売上が同じだった」とXtremeMacのBartはいう。iPodの発売と同時に産声を上げた同社は、iPod用に初めて登場したケースの1つを売り出した。「通常、年末のこの期間と残りの期間の差はここまで大きくない。売上はものすごい上昇カーブを描いている」(Bart)
「iPodの経済効果」を金額に換算するのは簡単ではない。だが、それが軽く数億ドルには達するのは間違いないだろう。Bartによると、電子機器業界では一般的に、カメラや携帯電話のような商品の購入者は、平均で機器本体の約10%をアクセサリに投じると考えられているという。Appleは、iPodを300ドル以上の平均価格で1000万台以上販売しているので、この10%の法則を当てはめると、iPod周辺機器市場は軽く数億ドルに達することになる。
しかし、この市場はそれよりさらに活況を呈しているとする意見も多い。多くの熱狂的なファンがiPod本体と同程度の金額をアクセサリに注ぎ込むだけでなく、ライトユーザーでもケースや予備バッテリを購入しているからだ。
iPodの売上増加に伴い、各アクセサリメーカーでも一層の利益拡大を見込んでいる。Belkin(本社:カリフォルニア州コンプトン)のシニア技術マネージャBrian Van Harlingenは、「iPodのアクセサリ市場は、全世界合計で5億ドル前後の規模になると考えられる」と語った。Belkinは先ごろ累計で200万個めのiPod用アクセサリを出荷している。
同時に、この市場では競争もかなり激しくなっている。Appleは1年前、iPodの周辺機器をキャリングケースを含めないで200種類と見積もっていた。これに対し、現在ではその倍以上の数のアクセサリが出されていると同社は言う。
JobsはMacworldの基調講演のなかで、「市場がものすごい『iPod景気』に湧いている。今ではiPod用のアクセサリが400種類以上販売されている。このような状況は、業界のなかでもダントツといえる」と語った。
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