日本ベリサインは2月24日、RFID(無線IDタグ)の非営利標準化団体EPCglobalに関連した同社の活動について説明会を開催した。インターネットの世界において、ルートDNS(Domain Name System)の運用や、.com、.netなどのドメインのレジストリとして実績のあるベリサイン。こうした実績を元に同社は、物流管理システムのルートディレクトリであるONS(Object Naming Service)の運営をEPCglobalより受託している。
EPCglobalは、商品コードの標準化機関である国際EAN協会と、バーコード管理団体のUCC(Uniform Code Council)が共同で設立した組織。RFIDを使った次世代の物流管理システムを研究していたAuto IDセンターが2003年10月、同団体に開発成果を譲渡している。
日本ベリサイン ビジネスディベロップメント部 課長の田口慶二氏は、インターネットとEPCglobal Networkの仕組みを対比して説明した。EPCglobal Networkとは、流通経路上でRFIDとEPC(Electronic Product Code)を利用した製品情報をやりとりする際に使われるシステムのことだ。田口氏によると、インターネットのDNSにあたるのがEPCglobal NetworkではONS、インターネットでコンテンツ等の情報を提供するウェブサーバにあたるのがEPC Information Services(EPC IS)、インターネットの検索エンジンにあたるのがEPC Discovery Servicesだという。
日本ベリサイン ビジネスデベロプメント部 課長 田口慶二氏 |
それぞれの標準化動向について田口氏は、2004年8月時点の状況だとしたうえで、「ルートONSとローカルONSの標準化は完了した。EPC ISについては50%程度完了し、EPC Discovery Servicesおよびセキュリティについては25%程度が完了している」と述べる。同氏は、2005年前半にはすべての標準化作業がほぼ完了するだろうとしている。
ベリサインが2005年に取り組むこととしては、EPCアプリケーションの導入を検討している企業に対し、トレーニングおよびコンサルティングを行うことや、「EPC Starter Service(RFIDのパイロット試験の実施にあたり専用の環境を提供するサービス)」、「Application Developers Program(EPCglobal Netowrk開発者向けの会員サイト)」といった導入検証を支援するサービスを提供することなど挙げている。また、ハードウェアベンダーやソフトウェアベンダーと連携し、相互接続性の確立や共同でのソリューション構築も行うとしている。
2006年以降に向けては、本格サービスの展開に向け、EPCglobal Netoworkにおけるネットワークサービスを提供するという。具体的には、EPCglobalから受託しているルートONSの運用、ローカルONSのアウトソースサービスなどを挙げている。
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