NTTとNTTレゾナントは2月23日、画像検索サービスで一般的だったキーワード入力での検索に加え、画像の特徴など視覚的な情報から類似したコンテンツの絞り込みができる新しいマルチメディア検索サービス「MultiMedia Meister(マルチメディアマイスター)」を開発したと発表した。
MultiMedia Meisterは、両社が2004年10月に開始した共同プロジェクト「ナビゲーション・プロジェクト」の一環として開発された技術だ。ナビゲーション・プロジェクトは新たな検索サービスの開発に取り組むためのプロジェクトで、今回開発されたMultiMedia Meisterは、NTTレゾナントの運営するポータルサイト「goo」上に開設した実験サイト「gooラボ」にて検証および評価を行う。
NTTサイバーソリューション研究所 所長 小川克彦氏 |
MultiMedia Meisterの機能は、NTTサイバーソリューション研究所が開発した類似画像検索技術や画像クラスタリング(分類分け)技術などがベースとなっている。これらの技術により、検索結果画面に表示される大量の画像の中から、ユーザーが希望する画像に近い色や被写体の向き、形などを分類して表示させられる。キーワードによる絞り込みではなく、画像データから直接絞り込む機能が実現した。NTTサイバーソリューション研究所 所長の小川克彦氏によると、「画像の周波数(鮮明さ)を16次元のベクトルで分類し、色を12次元のベクトルで分類している。合計28次元のベクトルにより、画像の類似性を判断する」と言う。
ほかにも同サービスは、動画検索や音楽検索、さらには画像、動画、音楽を横断的に検索する機能を備えている。また、gooラボで公開中の「3Dウェブ検索実験」との連携により、検索結果を立体的に表示できる。さらに動画検索においては、途中のシーンを抜き出してサムネイルを4枚表示させるため、「時間をかけて動画をダウンロードする前に、動画の概要がわかる」と小川氏はいう。
NTTレゾナント 取締役 副社長 ポータル事業本部長の中嶋孝夫氏は、MultiMedia Meisterの実験開始にあたり、「gooで検索を行うユーザーの約半数はブロードバンド環境で検索を行っている。これは、他検索サイトのブロードバンドユーザーが約1割程度とされているのと比べると、圧倒的な多さだ。ユーザーの期待に応えるべく、さまざまな検索バリエーションを提供していきたい」と述べた。
実験期間は2月23日から5月31日までを予定しているという。その後、ユーザーのフィードバックなどをもとに、gooトップページの検索画面上からも利用できるよう検討していくという。
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