ボストン発--Sun Microsystemsは、同社のOpteronプロセッサ搭載サーバについて、ラインナップの追加や変更を行うために出荷日を遅らせると発表した。
同社のGalaxyサーバ製品は、1年前にSunがKealiaという新興企業を買収した際に手に入れた技術をベースにしたもので、最大で8つのプロセッサソケットを持つものになる。これらの製品は、今年夏に出荷が始まることになったと、同社ネットワークシステムグループのJohn Fowlerが明らかにした。
この出荷時期は、Sunのこれまでの計画よりも若干遅めとなる。Fowlerは昨年、Opteronプロセッサ搭載したサーバを今年の6月末までにリリースするとしていた。
「われわれが当初考えていたよりも、少し遅れることになる。だが、その分良い製品になるだろう」と、Fowlerは米国時間16日にボストンのLinuxWorld Conferenceで行われたインタビューのなかで述べた。
出荷が遅れることになった理由について、Fowlerは、Sunが既存のサーバに関するユーザーからの要望を踏まえて、新製品をいくつか追加したほか、それ以外の製品についても改良を加えたためと説明した。これにより、管理ツールなどが改善されたと、同氏は述べている。
Sunにとって、この変更は大きな賭けといえる。同社は、Linuxに代わるOSとして自社のSolarisを普及させようとしており、そのためにOpteron搭載サーバを積極的に売り込んでいる。同社はまた、OpteronやIntelのXeonといったx86プロセッサ搭載サーバの市場で、Hewlett-Packard(HP)やIBM、Dellに追いつくための取り組みを進めている。
こうした取り組みは、ある程度の成功を収めている。AMDのCEOであるHector Ruizが今月明らかにしたところでは、昨年第4四半期にはサーバメーカーのなかで、Sunが最も多くOpteronプロセッサを購入したという。また、Opteronサーバの販売については、Sunの顧客の55%が追加購入を行っていると、Fowlerは述べている。
一方で、Sunのx86サーバ上で動作するOSとしては、いまだにLinuxのほうがSolarisよりもはるかに人気が高い。加えて、x86サーバの市場全体に占めるSunのシェアはごくわずかだ。
その上、Opteron搭載システムに関するSunのリードも、永遠に続くとは限らない。AMDのHenri Richard(販売マーケティング部門エグゼクティブ・バイスプレジデント)はインタビューの中で、Opteronの採用を控えていた一部のサーバメーカーが、今年後半に同チップを採用し始めるかもしれないとほのめかした。これはちょうど、デュアルコアOpteronの登場時期と重なるタイミングだ。
「デュアルコアが登場すれば、Opteronを採用するメーカーが増えるだろう。今年後半には、デュアルコアOpteronサーバを出していないと、かなり不利な状況になる」(Richard)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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