大日本印刷(DNP)と住商マシネックス九州は、無線ICタグで食肉豚の生産履歴情報を管理するシステムを共同開発した。両社が2月15日に明らかにしたもの。同システムを利用すると、養豚場から解体場までICタグを装着したまま、豚1頭ごとの情報を管理できる。2005年4月に販売を開始する。
同システムは、豚の出生時に個体識別番号の入ったICタグを耳に取り付ける。餌や薬を与える際に名称と量を入力し、豚のICタグからPCにデータを取り込むことで、1頭ごとの生産履歴管理を行う。食肉加工工場、加工食品工場、小売店、消費者は、品種/生産者/飼料/使用した医薬品、解体日などの情報をインターネット経由で確認できる。
装着するICタグは、応用電子研究所の協力を得て開発した。耐熱性、耐水性、耐衝撃性に優れ、解体場まで取り外す必要がない。また、繰り返し使用できるので、運用コストを低く抑えられるという。
飼料や医薬品の情報は、あらかじめデータベースに登録しておく。このデータベースや各豚の飼育履歴/食肉処理情報などは、DNPのデータセンターで管理する。
使用するICタグと読み取り装置は、135KHzタイプでISO11784/11785に準拠している。ICタグの形状は中空円形(ドーナツ)型。直径約30mm、厚さ約2mm。通信距離は20〜30cm。
システムの価格は、システム初期費用(ソフトウェア使用料、カスタマイズ費など)が1000万円から、システム運用費(データセンター利用料)が月額10万円から、ICタグ価格が1個当たり400円、読み取り装置が1台24万円。初年度に2000万円、2007年に2億円の売り上げを見込む。
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