IDC Japanは1月31日、2004年第4四半期の国内PC出荷実績(速報値)を発表した。出荷台数は315万台で、前年同期に比べ1.9%増えた。企業向け市場が引き続き堅調で市場をけん引したのに対し、家庭向け市場は前年同期に対しマイナス成長となったという。
ただし、IDC Japanのパーソナル・コンピューティング シニアマーケットアナリストである新行内久美氏は、「家庭向け市場のマイナス成長には在庫販売が影響しており、実際の販売ベースではほぼ前年並み」とみている。
ベンダー別の状況は以下の通り。
- NEC:
台数ベースシェア18.6%で1位となった。企業向け出荷台数は前年同期に比べ約10%増だが家庭向け市場で大幅マイナスとなり、全体で前年同期比8.6%減に
- 富士通:
シェア18.0%。企業向け市場で前年同期比1ケタ台後半の伸びを示し、家庭向け市場で前年同期並みの出荷量を確保したため、全体では3.7%のプラス成長を維持
- デル:
シェア11.7%。前年同期に比べてシェアを上げ、「確実に国内市場における基盤を固めている」(IDC Japan)。出荷台数は前年同期比11.2%増に
- 東芝:
シェア7.8%。出荷台数は前年同期比18.7%増。「新ブランドQOSMIOを立ち上げた家庭向け市場において、20%近くの高成長を遂げたことが貢献した」(IDC Japan)
- 日本IBM:
シェア7.4%。出荷台数は前年同期比1.2%増の「ほぼ横ばいで、中国Lenovo GroupへのPC事業売却の発表により、情報の混乱などから当期は販売機会損失を起こしていた」(IDC Japan)。ただし、IDC Japanは「他社への乗り換えを考慮するユーザーのほとんどは検討に十分な期間を設けると考えられることから、短期的なシェア減は最小限に抑えられる」と見込む
- 日本ヒューレット・パッカード:
シェア6.9%。出荷台数は35.3%増。企業向け市場で30%近い成長を記録したほか、2004年8月にリニューアルしたウェブサイト経由で家庭向け市場が大きく伸びた
2005年第1四半期の状況について、IDC Japanは、企業向け市場は好調維持、家庭向け市場は前年並みか若干のプラス成長と予測する。
IDC Japan