レッドハット、Linuxファンとの共同開発プロジェクトに再挑戦

Stephen Shankland (CNET News.com)2005年01月18日 21時51分
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 Red Hatはかつて、従業員以外の人々の協力も得ながらLinux製品を開発するプロジェクトを試みたことがあるが、この取り組みは不十分に終わった。それから2年が経過した今、同社はこの試みに再挑戦しようとしている。

 Red Hatは2003年初めに、無償のLinuxパッケージ「Fedora」を発表した。それには2つの目的があった。Fedoraを大勢の人々に使ってもらうことと、Red Hat Enterprise Linux(RHEL)への搭載を検討している新技術を試すことだ。RHELは、Red Hat製品の中でも最も売れ筋の商品だ。

 Red Hatはさらに、Fedoraユーザーにコンポーネントの開発/保守も行ってもらえれば、Red Hatという会社がオープンソース界における重要かつ中心的存在となるほか、同社製品に精通するファンの数も増えると考えた。また同社は、FedoraがRHELにとって、さらに優れたベータプログラムになるだろうとも期待した。

 Fedoraは、これまでに3つのバージョンがリリースされており、Red Hatは、RHEL開発におけるこれまでのFedoraユーザーの貢献に満足している。しかし、学生やオープンソース支持者にとってエネルギーを注ぐ経路がほかに多く提供されるようになったことを受け、Fedoraコミュニティによる取り組みは不十分となった。

 「われわれがRHELとFedoraを分けた際に犯した過ちの1つは、Fedoraを公開したので是非力を貸して欲しいと、早い段階ですべての人に協力を呼びかけてしまったことだ」と語るのは、Red Hatのコミュニティリレーションズ担当マネジャーGreg Dekoenigsbergだ。その結果、「多くの反応が寄せられた」(Dekoenigsberg)が、そのほとんどが単純なバグ報告に関するものだったという。

 Dekoenigsbergは、「彼らに出来ることはほとんどなかった」と述べ、さらに「(今回は)これらの人々がきちんと貢献できるようなシステムおよびプロセスをしっかりと確立したい」と語った。

 Fedoraがリリースされてから今日まで、Linuxの世界は絶えず変化し続けてきた。およそ4カ月前には、オープンソースプログラマらがFedoraに代わるUbuntu Linuxを発表した。またFedoraが最初にリリースされた直後に、Whitebox Linuxが発表された。2001年にリリースされたGentooも、注目を集めている。Red HatのライバルであるSun Microsystemsも、自社製オペレーティングシステム(OS)をオープンソース化するためのプロジェクトOpenSolarisに参加するよう、開発者に呼びかけている。

 しかし、Red HatはFedoraの性能を高め、同ソフトウェアに最先端の技術を盛り込み続けるべく、いくつかの取り組みを開始した。これが成功すれば、Red Hatは開発の迅速化を図れると共に、新しい世代のRed Hatの専門家を養成でき、さらにMicrosoftのようなプロプライエタリソフト開発を手掛けるライバル企業には真似できない方法で、プログラマらとの関係を維持することができる。

Fedoraプロジェクトの主な変更点は以下の通り:

  • Red Hatは、Concurrent Version System(CVS)と呼ばれるソフトによって管理されたソースコードリポジトリを開設した。これにより、外部者は開発中の最新版ソフトを閲覧できる。
  • Red Hatは、Fedora Extrasと呼ばれるプロジェクトも開始した。同プロジェクトでは、Red Hatが責任を負うFedora Coreプロジェクトで開発されたもの以外のソフトパッケージを取り扱う。Dekoenigsbergによると、Red Hatは一部のプロジェクトをFedora CoreからFedora Extrasへ移行させることにより、同社の負担軽減を図る可能性が高いという。
  • Red Hatは2月18日と19日の2日間、マサチューセッツ工科大学(MIT)で初のFedora User and Developer Conference(FUDcon)を開催する。その直前には、ボストンでLinuxWorld Conference & Expoが開催される。FUDconでは、誰がCVSにコードを登録するのか、またFedora Extrasに受け入れられるパッケージに必要な条件とは何か、といった問題が徹底的に議論される。
  • さらにRed Hatは、Fedora Core/Extras両ソフトの開発プロセスを自動化するために、誰でもアクセス可能なサーバを提供する。また、それにより、コンポーネント間で不一致が生じないようにする予定だ。

Fedoraの今後の展望

 現在オーストラリアで学ぶ20歳のマレーシア人プログラマColin Charlesは、Red Hatの新たな方針の恩恵を受けた開発者の1人だ。Charlesは、他の数名のプログラマと共に、Powerプロセッサ搭載コンピュータ向けの新版Fedoraの開発に取り組んでいる。IBMの開発するPowerプロセッサシリーズで最も良く知られているのは、Macintoshコンピュータに採用されているPowerPCだが、他にもIBM製pSeriesサーバに搭載されているものなどがある。

 Charlesは電子メールによるインタビューの中で、「CVSは、問題がきちんと修正されているか否かを確かめるために、ソフトウェアの最新版をみたいときや、試しに使ってみたい場合などに非常に役立つ」と語った。現在のFedoraにある機能は、OpenOfficeをはじめ、ほとんどすべてがFedora PPC上でも動作する。

 一方、Red HatもCharlesの作業の恩恵を受けている。同社は、Enterprise LinuxのPowerプロセッサ・バージョンを維持しなければならず、いずれPowerPC版をFedoraスイートの標準にすると見られる。

 この動きは、IntelのXeonやAdvanced Micro DevicesのOpteronといった、x86プロセッサ向けのFedoraに起こったことと全く同じだ。x86チップ向け新64ビットメモリ拡張をサポートするFedoraのあるバージョンは、当初外部のプログラマによって開発されたが、今やこれはRed Hatのリリースの標準の一部となっている。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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