記憶容量の拡大とパッケージングの縮小により、ハードディスクメーカー各社は自社製品を携帯電話に搭載できるようになる。現在、携帯電話はほぼフラッシュメモリの独壇場となっている。
HGSTのHealyによると、携帯電話で撮った写真を平面などに投影して簡単に見られるよう「プロジェクタ機能の搭載まで口にする人々もいる」という。
それでも、ハードディスク全体のなかでプラターが大部分を占めるため、容積の縮小には限界がある。Corniceの1インチプラターを採用した製品を開けてみると、プラターが表面積の半分以上を占めていることが分かる。大部分を占めるもう1つの部品はハードディスクのアームだ。
プラターサイズの小型化は、モーターをプラターの中心に配置しなくてはならないことからも制限を受ける。
IDCアナリストのDave Reinselは、「ハードディスクを小型化すると記憶容量は半分になる」と言う。東芝の0.85インチドライブは、4Gバイトが上限になっている。そうした事情から、0.5インチドライブは2Gバイトが上限だが、この容量ではフラッシュメモリとの価格競争が激しくなる。
フラッシュメモリチップは、今後も設置スペースとビット単価が大幅に改善されていくため、このことがハードディスク業界に問題を引き起こす可能性がある。Mooreの法則によって、チップのコスト削減と、メーカーによるメモリ容量拡大が同時に可能になり、また新しいパッケージの方法を使って、従来1つしか置けなかった空間に4つのチップを積み重ねた製品も出ている。Advanced Micro Devices(AMD)も、1セルあたり2ビットではなく4ビットを格納するフラッシュチップを出すことになっている。
もしフラッシュメモリの性能向上がハードディスクよりやや速いスピードで進めば、やがてはフラッシュメモリがマーケットシェアを奪う分野も出てくるだろう。フラッシュメモリは、10Gバイトや20Gバイトが必要なハイエンド市場では競争力が高くないかもしれないが、ミッドレンジ用としては競争力が高まる可能性もある。
「フラッシュメモリは成長中の市場セグメントを押さえている」(Reinsel)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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