サンフランシスコ発--PC市場のプレイヤー各社から提供される検索技術が脚光を浴びる中、Apple Computerの最高経営責任者(CEO)Steve Jobsも、当地で開催中の年次イベントMacWorld Expoで基調講演を行い、次期Mac OS Xで提供されるデスクトップ検索機能「Spotlight」について大々的に宣伝した。
Jobsは特にオペレーティングシステム(OS)の中に埋もれてしまったファイルを探し出す技術については、サードパーティのアプリケーションベンダから提供される検索技術よりもSpotlightの方が優れていると強調した。サードパーティのベンダとしてはGoogleの名前が例として挙げられるが、GoogleはすでにMacユーザー向けにデスクトップ検索ツールを提供する計画であることを明らかにしている。
「OSの中に検索機能を組み込むことにより、OS上でただ検索エンジンを稼動させるだけでは実現できないことが行えるようになる」とJobsは述べた。
Appleは昨年6月にMac OS Xの次期アップグレード版となる「Tiger」を発表した際、Spotlightという技術が同OSに搭載される予定だと述べた。そして同社は11月に、自社のウェブサイトにドキュメントを掲載し、Spotlightの仕組みなどの詳細情報を明らかにした。
Jobsは基調講演のなかでSpotlightを使ったデモを行い、Tigerは予定通り、2005年前半にリリースされると述べた。「Longhornよりもずいぶん早い時期に出荷される予定だ」とJobsは述べ、自社と同様に検索ツールを新しいOSの呼び物にしようと計画しているライバルのMicrosoftを批判した。LonghornはWindowsの次期バージョンで、2006年後半にデビューする予定。
Spotlightはすべてのファイルを追跡するインデックス作成エンジンで、どのファイルがいつ作成されたか、いつ開かれたか、あるいはいつ変更/複製/削除されたかなどを逐一記録する。これらの情報に加え、各ファイルの内容全体を常に記録しているため、Spotlightは強力なファイル検索を素早く行うことができる。たとえば、ユーザーが次の休暇の旅行情報を保存した場所を思い出そうとしている時に、Spotlightの方はすでに「ジャマイカ」や「ホテル」といった単語が含まれるファイルをすべて把握している、という具合だ。
Spotlightは、プレーンテキストやMicrosoft Officeで作成された文書、MP3およびAAC形式の音楽ファイル、QuickTime形式の動画ファイルなどを扱うことができる。また、Tigerでは「Smart Folders」と呼ばれるコンセプトも採用されており、キーワードやファイル属性の組み合わせでファイルをひとまとめにしてくれる。
Jobsは同日、たくさんの便利なツールを利用できる「Dashboard」のデモも行った。Dashboardで利用できるツールとしては、航空便や株価をチェックするためのものや、辞書、翻訳ツール、通貨換算ツール、アドレス帳やカレンダーへのリンクなどが挙げられる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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