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「エンタープライズ」「コンシューマ」の区別は時代遅れ - (page 2)

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 Long Tail理論と、それがMicrosoftのような企業にどのように関連してくるかについて簡単に説明してみよう。企業は長年にわたって、最大公約数の顧客に訴求する少数の爆発的な人気製品を開発することに注力してきた。Coca ColaやPepsi、トヨタカローラやLevisのジーンズといった大ヒット商品は、非常に多くの消費者に訴求するモノだった。小売業者は商品の陳列スペースが限られているため、人気商品だけを並べて利益の最大化を図る。

 しかし現在では、インターネットや柔軟なサプライチェーンのおかげで、ごく一部の人しか知らないような限られた需要にも対応できるようになり、そうした少数派向けの製品からも利益を上げられるようになっている。Amazon.comのようなオンライン小売業者では、Harry Potterも「Nag Hammadi Library」という学術書も同列に扱っている(Amazonによると、Nag Hammadi Libraryは、1945年にエジプト郊外のNag Hammadiという街の砂漠で、大きな石の壺に入れられて埋められていたところを発見されたという。これは本当の話である)。

 MicrosoftなどのIT企業は、数千人のCIO だけをターゲットにしているわけではない。ありとあらゆる層の数百万人という顧客が彼らのターゲットである。従来のエンタープライズコンピューティング(会社の中で働く人たちの活動)と会社以外の消費者が活動する世界との境界はあいまいになる一方だ。

 Windowsの製品やサービスは、企業内にも個人ユーザーの自宅にも広く普及しているため、最終的にはMicrosoftが有利だろうと、RedmonkのアナリストStephen O'Gradyは指摘する。

 企業と個人ユーザーの自宅で使用されているテクノロジーは、ウェブサイト、電子メール、ブログ、wiki、インスタントメッセージなど多岐に渡る。これらはすべて相互に接続されており、そして誰もがインターネットを利用している。

 別の例を挙げてみよう。それは、ソフトウェアをサービスとしてオンデマンドで提供する計画で、これが実現すれば、企業はオンデマンドムービーからCRMソフトまで、カスタマイズされたさまざまなインタラクティブコンテンツをワンクリックで世界中の顧客に届けることが可能になる。IBM CEOのSam Palmisanoが、「IBMのオンデマンド技術は、エンタープライズから家庭に広がっている」と言ったのは、まさにそういう意味だろう。

 ただし、エンタープライズという言葉が死語になったわけではない。テクノロジービジネス全体が進化・成長を遂げており、そしてますますパーソナルになっている、ということだ。

筆者略歴
Mike Ricciuti
CNET News.comのエグゼクティブエディター兼ケンブリッジ(マサチューセッツ)支局長。

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