ラスベガス発--IBMのPC部門との統合により、Levonoは長年達成できずにいた目標を実現できるようになる。その目標とは、中国で開発した製品を海外で販売することだ。
IBMのPC部門でプロダクトマーケティング担当バイスプレジデントを務めるRobert Galushは当地で開催中のConsumer Electronics ShowでCNET News.comのインタビューに応じ、IBMのPC部門とLenovoでは現在、Lenovoの製品を世界各国に輸出する計画を立てていると述べた。同氏によると、中国以外のアジア各国や欧州、北米に製品を出荷する予定だという。
「Lenovoの製品を中国以外の市場で販売することは確かだ。(IBMには)製品を世界160カ国で販売してきた実績がある」(Galush)
IBMと中国最大のPCメーカーであるLenovoは、ジョイントベンチャーを設立する計画を先月発表した。
Galushによると、新会社が海外で製品を販売する際は、Lenovoのブランドが使われる可能性が高いという。ただし、現行のIBM製品に限ってはIBMのブランド名で販売されるだろうと、同氏は述べる。
IBMとLenovoには共通点が少ない。Lenovo(旧Legend)は、消費者や中小企業向けにPCや携帯電話などを販売している。これとは対照的に、IBMは主に大企業にPCを販売してきた。
2社が保有するノウハウや製品ラインには、重複する部分が少ない。重複する部分があったとしても、Hewlett-Packard(HP)とCompaqが合併したときに比べればわずかなものであるとGalushはいう。
理想的な形で、IBMとLenovoは互いを補完しあうだろうと、Galushは述べる。
Lenovoはこれまでに、多数のノートPCを独自に開発し、さまざまなカンファレンスで賞を勝ち取ってきた。しかし、同社の海外進出は思うように進んでいない。Lenovoは、2002年に本格的な海外進出を計画したが、中国国内でのシェアが低下したため、このときは進出を断念している。
一方のIBMも、Lenovoと手を組むことによって、中国の顧客にアクセスしやすくなるというメリットがある。
「われわれはこれまで異なるセグメントの顧客を対象にビジネスを行ってきたため、成長の機会はどこにでもある」(Galush)
とはいえ、既存の従業員が解雇される可能性は高い。IBMのPC部門は過去数年間にわたって損失を計上してきた。損失を取り戻そうと、売上を増やす努力を重ねる一方で、コストを削減するための施策が実施されることは間違いない。
「2社とも、コスト削減に向けて努力する必要がある」とGalushは述べる。「間違いなく、コスト削減は、事業を統合する目的の1つだ」(Galush)
海外戦略については、今後さらなる詳細を検討する必要があるとGalushはいう。IBM幹部は、人員計画など、事業統合に向けたさまざまな計画を立案するために、中国で行われる会議に頻繁に出席する一方で、学習用CDを使って中国語を学習しているという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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