アライドテレシスとアラクサラが提携、まずはOEM供給から

藤本京子、早津優美(CNET Japan編集部)2004年12月20日 18時11分

 アライドテレシスホールディングスとアラクサラネットワークスは20日、ハイエンドルータ・スイッチの販売・サポートおよび技術協力において提携すると発表した。この提携により、アライドテレシスホールディングスの販売子会社であるアライドテレシスは、アラクサラのスイッチ製品のOEM供給を受け、来春より販売を開始する。

 アライドテレシス 代表取締役副社長の長尾利彦氏は、今回の提携を4つのフェーズに分けて説明する。まず2005年1-3月頃を第1フェーズとし、同時期にアラクサラのハイエンドスイッチ「AX7800Sシリーズ」とミッドレンジスイッチ「AX5400Sシリーズ」のOEM供給を受ける。これらの製品は、アライドテレシスの「スイッチブレード7800シリーズ」および「スイッチブレード5400シリーズ」として販売するという。第2フェーズでは、アラクサラのルータ製品「AX7800R」のOEM供給を受ける。時期的には「4-5月頃をめどにルータ製品の供給を受けたい」(長尾氏)としている。

アラクサラネットワークス代表取締役社長 和田宏行氏(左)と、アライドテレシスホールディングス 代表取締役 高木弘幸氏

 これらの製品でまず国内の基盤作りをし、日本市場で得たブロードバンドサービス対応のノウハウなどをベースにアライドテレシスの海外販売チャネルのうち20カ国で製品を展開していくという。これが提携の第3フェーズと位置づけられており、アライドテレシスでは2005年の夏ごろよりグローバル展開を始めたいとしている。

 第4フェーズは、両社製品の相互接続性を高めるための技術的課題の検証などで協調するという。ただし、具体的な内容はまだ決まっておらず、開始時期も2006年以降になるだろうとしている。

 両社が提携するメリットについて、アライドテレシスホールディングス 代表取締役の高木弘幸氏は、「これまでアライドテレシスは、キャリアへの販路はあったものの、上位機種の製品ラインを持っていなかった。ラインアップを増やすことで、ミッドレンジ以上の製品提案を行うことができる」と述べる。また、アライドテレシスの長尾氏は、IPv6対応製品のラインナップを拡充できることや、国産システムによる国内の市場ニーズに対応できること、QoSを高度に意識したアラクサラ製品でVoIPとビデオ、無線通信、xDSLをトリプルプレイ展開する事業者への販売を拡大できることを挙げている。このほか、大学や大企業の拠点、地域情報化へ向けたネットワークサービスの運営主体などへの販売展開にも注力するとしている。

 一方、アラクサラネットワークス代表取締役社長の和田宏行氏は、「パートナーを通じた販売は、アラクサラにとって重要な戦略のひとつ。アラクサラの7800シリーズは大規模な製品だが、この市場は非常に大きいと認識している。アライドテレシスの販売チャネルを利用して、販路が拡大できることはわが社にとってもメリットが大きい」としている。

 アライドテレシスは、2004年度から2006年度までの3年間で開発費の70%をIPv6対応製品の開発に投入すると発表しており、こうした既存ラインアップのIPv6対応と今回の提携でIPv6のカバレッジを拡大する。長尾氏によると、今回の提携における製品群の国内における販売目標は2005年度(2005年4月から2006年3月)で10億円。また、その後のグローバル展開も含めた目標は、3年間で100億円としている。2004年4月に発表された、既存ラインアップのIPv6対応によるIPv6関連製品の2007年時点での目標売上高は300億円。

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