グラフィックチップ業界大手のNvidiaは米国時間7日、ソニーと共同で、PlayStationの次期バージョンに搭載するグラフィックプロセッサを開発していることを明らかにした。
ソニーとNvidiaが発表した共同声明によると、両社は2年前から、ソニーの技術とNvidiaのGeForceアーキテクチャをベースにしたグラフィックプロセッサの開発に取り組んできたという。両社は、開発したプロセッサを将来のソニー製家電製品にも応用することを見据えているという。契約の金額面に関する詳細は明らかにされていない。
Nvidiaは従来、MicrosoftのXbox向けにグラフィックプロセッサを提供してきたが、価格交渉をめぐり両社の関係はこじれ、問題は裁判所による調停にまで発展した。Nvidiaは、今回のソニーとの提携により、テレビゲーム市場に残ることができた格好だ。
昨年Microsoftは、来年後半発売予定のXboxの次期バージョンについて、NvidiaのライバルATI Technologiesからグラフィックプロセッサの提供を受けると発表した。だが、これまでの経緯から、業界の観測筋はこの計画を聞いても驚かなかった。
ソニーは、PlayStation 3に関する情報を数年前から少しずつ明らかにしてきた。同社は、来年5月のElectronic Entertainment Expoトレードショーで同製品のプレビュー版を披露する予定だ。
PlayStation 3には、ソニー、IBM、東芝が共同開発する「Cell」プロセッサが搭載されるため、Nvidiaとソニーが開発するグラフィックプロセッサがPlayStation 3でどういう役割を果たすのかは明らかでない。Cellプロセッサには、コンピュータグラフィックのレンダリング処理用に最適化された多数の機能が搭載される。そのため、Nvidiaとソニーが開発するグラフィックプロセッサは、補助的な役割を果たすに過ぎない可能性もある。
声明によると、両社は、チップの設計だけでなく、ゲーム開発者に新しいチップを利用してもらうためのミドルウェアや各種開発ツールの開発にも共同で取り組んでいくという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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