日本IBM(大歳卓麻社長)は、自動車を始めとする電子制御の機械システムに組み込まれたセンサーの異種大量時系列データを分析し、故障の原因を突き止めて早期に対策を講ずる「障害解析ソリューション」の開発フレームワーク(システムの枠組み)を試作したと発表した。
この開発フレームワークを使って障害解析システムを構築した場合、例えば、ディーラーなどで蓄積されたデータを自動診断して故障の初期症状を検知したり、走行中の自動車からネットワーク経由で送られてくるデータを自動診断、故障解析し、ドライバーに伝達してトラブルを回避するといったことも将来的に可能になる。
また、自動車だけでなく、船舶、飛行機などの安全管理、自動化された生産設備などを制御する製造業、さらに多種大量の時系列データを扱う金融や医療などの分野への応用も可能。
障害判定のロジックを最適かつ最新のものに保つために、IBMの米国ワトソン研究所が開発し、自動車メーカーの協力を得て検証してきた障害診断システム構築技術「AAI(Automated Analysis Initiative)」を活用している。このフレームワークを使うと、診断ロジックを始め、対象装置の構成情報、時系列データといった情報やその関連づけが明示的に記述でき、柔軟に拡張や管理ができる。とくに、診断ロジックの実装技術としては、AI(人工知能)技術を集めた、高速で再利用可能、拡張性の高い学習/推論コンポーネント「ABLE (Agent Building and Learning Environment)」を利用している。
同社では今後、同ソリューションのさまざまな分野への応用に向けてさらに開発を進めていく方針。
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