日立製作所のグループ会社で半導体の開発・販売を行う日立超LSIシステムズは12月7日、データの書き換えができる非接触ICチップ「ミューチップRW」を開発したと発表した。2005年第2四半期より量産を行う。製造・流通業を中心に提供していく考えだ。
ミューチップRWは大きさが1.5mm角で、アンテナを付けたインレットの大きさは長さ70mm、幅4.8mm、厚み0.4mm。メモリ容量は128バイトで、このうち読み出し専用領域が18バイト、データ書き込み領域が110バイトとなっている。同社によればデータの書き換え可能回数は10万回という。
ミューチップRWのインレット |
2.45GHz帯のマイクロ波を使用し、60cmまで通信が可能。複数のミューチップRWを同時に読み込み/書き込みができる輻輳制御機能を搭載している。「実験で30個まで扱えることを確認している。理論上は128個まで可能だ」(日立超LSIシステムズ取締役社長の小切間正彦氏)
同社はまず、ミューチップRWのプロトタイプと、データの読み取り/書き換えを行うリーダー/ライター、評価ソフトウェアなどをセットにしたミューチップRW評価キットを12月9日より販売開始する。価格は95万円。販売は日立製作所が担当する。
ミューチップRWの販売目標については、チップとリーダー/ライターを合わせ、2007年度に10億円を目指すという。なお、日立製作所ではSI事業などを含めたミューチップ応用ソリューション事業全体の売上目標を2005年度に150億円としている。
リーダー/ライター(下)とアンテナ |
今後の課題として小切間氏は、ミューチップRWの価格とリーダー/ライターの大きさを挙げる。ミューチップRWの価格は、プロトタイプで1個1000円(50個出荷時)。2005年末には1個100円程度にまで引き下げる予定で、「最終的には1個20円にしたい」と話す。
リーダー/ライターの大きさは、幅270mm、奥行き190mm、高さ95mm、重さ1.5kg。「ポータブルサイズへの要望が多い」(小切間氏)ことから、PCカードタイプやコンパクトフラッシュカードタイプの開発を進めていくとしている。
また、同社はミューチップRWがユビキタスIDセンターのucodeタグに認定されたと発表した。これにより、ミューチップRWには同センターが運用する個別のucodeが付与され、自動識別が行われるようになる。
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