Microsoftの基礎研究所であるMicrosoft Researchがインドのバンガロールに研究所を開設する。これは、同社が海外に設置する3つ目の研究機関になる。この動きは、ハイテク分野においてインドの重要性が高まりつつあることを示している。
2005年1月に開設予定の同研究所では差し当たり、多言語システム、新興市場向け技術、地図情報システム、センサーネットワークの4分野に重点的に取り組む予定だ。しかし、同研究所の将来的な研究の方向性については、主に同研究所が採用する人材によって決定されることになる。
「研究機関はどこも最も優秀な人材を採用したいと考えるものだ。われわれも6年前、中国で優れた人材の確保に成功した」と語るのは、Microsoft ResearchのシニアバイスプレジデントRick Rashidだ。「(インドに開設される研究所で)どのような研究が行われるかは、われわれがどのような人材を採用するかによって決まる」(Rashid)
Microsoftはここ数年、新興市場への参入をより積極的に進めてきた。例えば、タイではWindows XPオペレーティングシステムの廉価版を発売し、また発展途上国の教育機関にソフトバンドル製品を特別価格で提供した。また、同社は昨年、インドの博士課程の学生を採用するためのインターンシッププログラムを創設した。さらにRashidによると、同社は中南米の5カ所の技術研究所をサポートしているという。
インドに開設される研究所は世界的影響力のあるプロジェクトに取り組んでいくが、差し当たっての研究分野である多言語システムと発展途上国向け技術の2つは、インドの多くの国民が日々直面しているハイテク問題にある程度対応させる。現在インドには15の公用語が存在するが、これには政府/企業にとって最も重要な言語の1つである英語は含まれていない。さらに、世界の概況を説明した米中央情報局(CIA)の「World FactBook」によると、ヒンドゥスターニー語のような言語も存在するという。同研究所が行う研究では、機械翻訳や1台のコンピュータ上で多種多様な言語で書かれた情報に容易にアクセスできるようにするソフトの開発に重点が置かれる。
PC台数の急増に加え、国民一人当たり所得が低水準にあることも、廉価版PCを試験販売する場としてインドがしばしば選ばれるようになった要因と言える。Hewlett-Packardは太陽電池で動くプリンタやカメラをインドでテスト販売した。またAdvanced Micro Devices(AMD)は同国でわずか185ドルのPersonal Internet Communicatorと呼ばれるPCの販売に力を入れている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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