グラフィックチップメーカーのNVIDIAは米国時間11月19日、チップセット「nForce」をIntelプロセッサ向けに開発する計画を発表した。これまで同社は法的な制約があってnForceプラットフォームでIntelのチップをサポートしてこなかったが、今回Intelと特許のクロスライセンス契約を行ったため、開発が可能になった。
NVIDIAは、Intelと特許のクロスライセンスを行うことにより、チップセット市場で今までより幅広い活動を行うことが可能になる。PCメーカー各社がグラフィック回路を内蔵した統合型チップセットを採用するようになったことを受けて、同社は数年前、ライバルのATI Technologies(ATI)とともに、PC向けチップセットのビジネスに参入した。
これまで自社のプロセッサ向けにチップセットを開発するようメーカー各社に積極的に呼びかけてきたのはAdvanced Micro Devices(AMD)だった。しかし、今だにIntel製品がPC向けプロセッサ市場の約82パーセントを占めている。
Intelがプロセッサ市場において大きなシェアを占めているため、Intel用のチップセットを製造するメーカーの方がビジネスを有利に展開しやすい。そのため、NVIDIAをはじめとするチップセットメーカー各社は、IntelとAMDの両社にチップセットを提供する戦略を重視している。
NVIDIAのnForceチップセットは、AMDプロセッサを搭載したPCのユーザーの間で評判が良い。それにも関わらず、同社はnForceチップセットでIntelプロセッサをサポートできなかった。Intelのフロント・サイド・バスと呼ばれる、プロセッサとデータをやりとりするための回路を利用するライセンスを取得していなかったためだ。
両社が発表した声明によると、今回の契約は、複数の製品ラインやバージョンが対象となり、複数年にまたがるものだという。また同契約には、最新Pentium向けnForceの開発に道を開く、Intelのシステム・バス技術に関するライセンスも含まれるという。
NVIDIAは、新しいnForceの出荷時期や対応するPCなど詳細については公表していない。しかし出荷が始まれば、同社はほかのチップセットメーカーやIntel(Intelはチップセットやマザーボードを自らも製造する)との厳しい競争に直面する。NVIDIAにとってグラフィックチップ市場における最大のライバルであるATIおよびAcer Labs、SiS VIA Technologiesなどの競合メーカーがすでに、Intel製チップを搭載したPC向けにチップセットを製造する契約をIntelと締結している。そのため、市場には、PC用Pentium向けのチップセットが多数登場することになりそうだ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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