フォトレポート:NECのスパコンを生み出すNECコンピュータテクノ

永井美智子(CNET Japan編集部)2004年11月18日 16時20分
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 NECは11月12日、スーパーコンピュータやサーバ等の生産拠点であるNECコンピュータテクノ甲府事業所の生産ラインを報道陣に公開した。

 NECコンピュータテクノは茨城日本電気(NEC茨城)の開発、アウトソーシングなどの製造以外の部門と甲府日本電気(NEC甲府)を統合して2002年に設立された。NECのコンピュータプラットフォームビジネスユニットの中核工場として、スーパーコンピュータやメインフレーム、サーバなどの開発、製造を手がけている。

 同社が手がける製品のうち、デルやヒューレット・パッカードなどの海外勢と激しい価格競争を繰り広げているPCサーバについては約90%を海外生産し、同社で顧客の要望に応じて組み立てる形をとっている。さらにトヨタ生産方式を導入し、生産ラインの効率化を進めることで利益を確保する方針だ。「NECのハードウェア事業は営業利益率5%を確保している。中期的にはこれを7%に引き上げたい」とNEC執行役員常務の近藤忠雄氏は話し、低価格のIAサーバ事業でも収益は確保できているとした。

 スーパーコンピュータについては、先日発表されたランキングで世界最速の地位をIBMのBlue Gene/Lに譲り渡している。しかし同社では、「世界一になったときから、いつかは抜かれるだろうと思っていた」と焦る様子はない。競合のIBMやSGIは低価格での構築が可能なスカラー型で攻勢を仕掛けているが、「気候シミュレーションやバイオ分野での分子レベルの解析など、高性能なベクトル型でないとできない分野がある」(同社)として、スカラー型との住み分けは可能とした。

NECコンピュータテクノ甲府事業所 山梨県甲府市にあるNECコンピュータテクノ甲府事業所。月産台数はIAサーバが5000台、メインフレームが同20台、スーパーコンピュータが同15セットという。

トヨタ生産方式を採用 「かんばん」と呼ばれる伝票を利用し、部品のサプライヤーから工場の生産ラインまでをサプライチェーンでつないでいる。現在はバーコードを利用しているが、RFIDに置き換える計画だという

多機能部品自動搭載機 チップ部品を基盤に実装する機械。1mm x 0.5mmのチップからBGA(Ball Grid Array)までさまざまな形状のチップを1台で実装できるという

サーバの組立ライン 23機種、180種類のバリエーションがあり、注文に応じて製品を組み立てるBTO方式をとる。通常は受注から出荷まで6営業日かかるが、Gモデルという一部の製品は2営業日で出荷する体制をとっている

大型コンピュータの組立ライン 最大18機種を1つのラインで組み立てることが可能という。地面の黄色い部分が回転するようになっており、人が移動することなく作業ができる

スーパーコンピュータ「SX-8」 NECが10月に発表したSX-8は演算性能が最大65テラFLOPS。衝突時のシミュレーションを行う自動車分野や気象予測分野、製薬などのバイオ分野に売り込む考えだ

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