Computer Associates International(CA)は米国時間8日、初めてのアンチスパイウェア製品を発表した。同製品は、同社がPestPatrolから獲得したアプリケーションをベースに作られている。
CAが発表した製品の名称は「eTrust PestPatrol Anti-Spyware r5」。同製品では中小企業、大企業、一般ユーザーを対象とする3種類のパッケージが用意されている。
企業向けの製品は、CAに買収される前のPestPatrolが販売していたアンチスパイウェアアプリケーションのアップデート版となっているが、アンチスパイウェアアプリケーションを一般ユーザー向けに開発するのは両社にとって今回が初めて。
CAのeTrustセキュリティマネジメント担当バイスプレジデントSam Curryによると、 同社ではこの8カ月間で1200種類以上の新種のスパイウェアを特定したという。これは、悪質なソフトウェアの脅威がますます高まっていることの現れでもある。スパイウェアアプリケーションは、ウェブブラウザの欠陥や電子メールに添付されたプログラムを通して、ユーザーの許可なくPCにインストールされてしまう。そしてその後、PCの使用履歴をこっそり追跡したり、個人情報を盗み出したり、スパムメールを送信したりする。
CAによると、企業ユーザー向けのパッケージでは今回、レポート機能が改善され、スパイウェアのスキャンが高速化されたほか、顧客サポートの範囲が拡張されたという。また、多数のPCのセキュリティを保護するための管理者機能も搭載されている。同社幹部によると、CAは企業ユーザー向け製品のライセンス条件も変更したという。
CAによると、一般ユーザー向けパッケージでは、ITに詳しくない人でも使えるように、PestPatrolが従来利用していたインターフェースに改善を加えたという。たとえば、新製品では、ユーザーが自動スキャンのスケジュールを設定し、実施された修正のレポートを受け取ることができる。これまでは、ソフトウェアからの報告に基づいてユーザーが手動で問題点を修正し、システムをチェックしなければならなかった。なお、同製品の小売価格は39ドル。
Spybotのようにインターネットから無料でダウンロードできるアンチスパイウェアアプリケーションでは、次から次へと出現するスパイウェアにもはや対応できなくなっていることにユーザーは気付いていると、Curryは述べた。良い働きをするツールのためなら、ユーザーは出費をいとわないというのが同氏の考えだ。
スパイウェアは大きな脅威であることを認識する企業は多いが、ある調査結果によると、スパイウェアに対処するために開発された技術を導入している企業は少ないという。Equation Researchが発表した全米のIT管理者や幹部を対象にした調査からは、全体の70%がこの問題に対して懸念を表明する一方で、アンチスパイウェアソフトウェアをインストールした企業は全体の10%にも満たないことが明らかになった。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」