エレコム(葉田順治社長)は、周辺機器事業メーカーのロジテック(星野雄之輔社長)を、筆頭株主の丸紅インフォテック(梅崎哲雄社長)および主要株主の丸紅(勝俣宣夫社長)から100%の株式譲渡を受け、11月2日付で買収したと発表した。ロジテックは、12月24日にグループ移転を行う予定。これによってエレコムは、バッファロー、I・Oデータ機器に並ぶ業界最大級の総合周辺機器メーカーとなる。
エレコムは、デジタル家電やメモリ事業など、新規分野への事業展開を図っており、今後のデジタル家電やAV機能を付加した製品開発には、ストレージ製品が必要と判断。買収を丸紅に打診した。ロジテックは、1982年に丸紅の子会社として創業、ストレージ製品分野で3位のシェアをもつ。2003年の売り上げ高は132億6300万円。
エレコムの葉田社長は、「当社は業界最大級のグループ企業へ変貌する。ロジテックのもつNASやストレージ、カスタマイズPCなどを強化していきたい。ロジテックは周辺機器メーカーとしてカスタマーの信頼を得ていること、当社と業務がほとんど競合しないこと、ストレージ製品の強化が図れること、ロジテックの工場がある長野・伊那の気質柄か、頑固一徹に品質を追求していること、5年前、10年前の機器でも修理する体制をもっていることが強み」と話した。海外生産・海外調達を主とするエレコムは、国内に工場をもつロジテックを傘下に収め、開発・生産体制の強化を図る。
今後の展開については、「ロジテック」ブランドを存続しつつ、(1)AVとストレージを融合したデジタル家電の開発、(2)法人営業の強化、(3)エレコムの海外拠点をベースとしたロジテック製品の海外進出――を目指す。
当面エレコムでは、ロジテックの法人チャネル強化を進めていく考えで、その後、コンシューマ販売の強化を行う計画。「ロジテックの法人販売は丸紅インフォテック経由がメインだったが、他の流通商社が取引しづらかったり、丸紅インフォテックもロジテック製品だけを積極的に販売するわけにはいかなかった。今後は、今の体制を尊重しつつ、顧客にとって一番いい法人チャネルを開拓していく」(葉田社長)と説明している。個人向け販売については、量販店に05年4月以降エレコムを窓口とするよう、個別交渉を行っていく予定。
同席した丸紅インフォテック増岡康夫取締役は、「ロジテックはどこかの企業と提携する必要があり、今回エレコムから提携を超えた打診があった。当社も10月1日にコンピュータウェーブと合併を行っており、経営の選択と集中を図っている。ロジテックの法人販売については、これまでどおりの関係を維持し、販売拡大に最大限努力する」と述べた。
ロジテックの星野社長は、「22年間、丸紅の子会社として歩んできたが、PCとIT家電の融合によるユーザーニーズの多様化、昨今の価格単価下落、開発スピードやマーケティングの激化などによって、エレコムグループとなる方が良いと判断した。エレコムの営業力、商品企画力、海外の調達力によって、新規分野の製品を投入していきたい」と、今後の豊富を語っている。
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