富士通幹部、サーバビジネス戦略を語る

藤本京子(CNET Japan編集部)2004年10月22日 22時14分
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 昨年のインテルとの提携に続き、今年はサン・マイクロシステムズやマイクロソフトと提携するなと、サーバビジネスで大規模なアライアンスを相次いで発表している富士通。今年の第1四半期、第2四半期ともに、サーバ製品の売上は前年同期より増加したという。なかでも「IAサーバの台数ベースの伸びや、Unixサーバの輸出の伸びが顕著だ」と富士通 経営執行役 サーバシステム事業本部長の山中明氏。米CNET News.comのマイケル・カネロスとCNET Japanは同氏にインタビューし、富士通のサーバビジネス戦略について聞いた。

パートナーシップは「より深いものに」

 山中氏はまず、Unixサーバ戦略について「サンとのコラボレーションを強化する」と述べる。Unixサーバ市場でSolaris OSはトップシェアを握っているが、同氏は「富士通のハードウェア技術とサンのSolaris技術を組み合わせると強さも倍増する」と自信を見せる。今回の提携でUnixサーバ市場でのシェアをより強固なものとする考えだ。

富士通 経営執行役 サーバシステム事業本部長 山中明氏

 一方のIAサーバ分野では、昨年結んだインテルとの提携関係の下でミッションクリティカルなLinuxサーバを共同で開発するとしている。「Linux市場は成長しており、見逃せない」と山中氏は述べ、2005年前半には同市場に向けたミッションクリティカルサーバを投入するとしている。Linuxの種類については、「Red HatやSUSE Linuxなどを採用する」と山中氏。特にRed Hatとは「富士通のソフトウェアエンジニアをRed Hat本社に半年在駐させている。来年発表される次期バージョンのRed Hat Linuxには、ミッションクリティカルな機能が多く搭載されるよう協力している」と説明する。

 IAサーバといえば、LinuxはもちろんWindowsを無視するわけにはいかない。富士通は、マイクロソフトとも提携し、同社の次期OSであるLonghornとの組み合わせでビジネスを拡大するとしている。「富士通ではハードウェアの自社開発に力を入れている。それと同時に、グローバルなビジネスを追求するために世界的なメジャープレイヤーとの連携は非常に重要だと考えている。そういった意味で、サンやインテル、マイクロソフトとのコラボレーションはなくてはならないものだ」(山中氏)

 このように数々の提携関係を結んでいる富士通だが、これは今までのパートナー戦略と違いがあるのだろうか。山中氏は、「5年前と比べると、開発分野にまで踏み込んだアライアンスとなっている。これまでの提携は、すでに存在しているものを組み合わせて販売するというケースが多かったが、いまではハードウェアやCPUの開発フェーズから両社が協力関係を築いている」と述べ、現在の提携はより深化したものだと説明する。

Itaniumサーバはこれから、Unixサーバは現状維持

 富士通では幅広いサーバ製品を取り扱っているが、山中氏は各分野の製品をどう見ているのか。インテルはItaniumをハイエンドCPUと位置づけ、RISCサーバからItaniumサーバへの移行をねらっているが、山中氏は「Itaniumは正直日本ではこれからだろう」と述べる。「技術的には大変優れており、信頼性やスケーラビリティもあるプロセッサだ。ただ欠点は、他のCPUに比べるとアプリケーションが少ない点にある」と山中氏。しかし同時に「IBMのPOWER 5サーバなどに比べると、ISVの取り組みも積極的になりつつある」としている。

 Unixサーバ市場の今後については、「現状維持か少し伸びる程度で、それほど拡大することはないだろう」という。同市場はデータベースアプリケーションでは大きなシェアを占めているが、「その他のアプリケーションとなるとIAサーバにシェアを取られている」と山中氏は述べる。

 一方、Xeonが64ビット対応となったことで、ItaniumとXeonという2つの64ビットプロセッサ搭載IAサーバを抱えることになった富士通だが、同社はこの2種類をどのように販売していくのだろうか。山中氏によると、富士通としてもインテルと考えは同じで、「Xeonはハイボリューム向けだ。ミッドレンジ以下で64ビットが必要な場合に適している。スケーラビリティが必要な場合はItaniumを薦める」と説明する。

 ただ、サーバベンダーとしてXeonの64ビット化は歓迎すべきことかどうかを聞くと、「Itanium、Xeon、そして(AMDの)Opteronと、64ビット対応製品が多く出てしまうと、すみ分けが難しくなる」と話す。XeonやOpteronは32ビットから64ビットへの移行の容易さで注目されているが、「実際にどの程度移行ニーズがあるかは今のところ見えていない。現在64ビットはHPCやCADなどの世界ではよく使われるが、ビジネス系の需要が高まるまではまだ時間がかかるだろう」としている。

 Xeonの対抗品ともなるOpteronは、富士通では未採用だ。山中氏は「テクノロジーとしてはすばらしい。特にコストパフォーマンスに大変優れている」というが、やはり「ポジション的にOpteronをどう扱うかは難しい」とし、現在も採用が未定となっている理由を述べた。

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