米のコンピュータ歴史博物館、VisiCalcの作者らを特別会員に選出

David Becker(CNET News.com)2004年10月21日 14時32分

 過去の出来事を学んでいない人間は、過去の失敗を繰り返す運命にある。Computer History Museumに注目し始めた方がいい理由の1つはまさにその点にある。さもなければ、あなたのiPodのハードディスクが突然Cadillac Escaladeほどの大きさにまで膨れ上がってしまうだろう。

 この博物館は、現代的なコンピュータの時代を切り開いた人物や製品について語り伝える目的で開設されたもので、館内に展示されている製品には、1960年代に当時最先端だった巨大な大きさの10MBハードディスクなどがある。

 また同博物館は19日夜(米国時間)、優れた功績を残した5人の人物を特別会員として選出した。すでに、IntelのGordon Mooreや、Adobe Systemの創設者であるJohn WarnockとCharles Geschkeなどがこの特別会員に名を連ねている。

 今年新たに選ばれた会員は、さまざまな方面でそれぞれ画期的な技術を開発した人ばかりだ。

  • Dan BricklinとBob Frankstonは、世界初の表計算ソフトであり、また初期のPCの最初の「キラーアプリ」となったVisiCalc を開発し、PC革命の幕開けに貢献した。
  • Niklaus Wirthは、ソフトウェア開発の公式化に貢献したプログラミング言語Pascalをはじめ、数多くのプログラミング言語を開発した。

  • Erich Blochと故Bob Evansは、IBMが社運を賭けて開発したメインフレームで、コンピューティングの新時代を切り開いたS/360の開発で主導的役割を果たした。

 今日では表計算ソフトの有用性に異議を唱える者は誰もいないだろうが、1970年代末には、当時まだ珍しかったコンピュータの技能と、ビジネスセンスを兼ね備えたごく一部の人々にしかその必要性は理解されなかった。Bricklinは、コンピュータの愛好家としてコンピューティングの技能を伸ばし、またハーバード大学のビジネススクールに通うことでビジネスセンスを身に付けた。Bricklinは、自分自身の差し迫った問題を解決するために、VisiCalcの開発に協力したのだという。その問題とは、見た目にも理路整然としたビジネスデータの説明資料を作成する、というものだった。「私は、紙と鉛筆と電卓に代わるものが欲しかった」(Bricklin)

 その結果生まれたのは、ふつうの人にアピールする最初のコンピュータプログラムだった。Bricklinは、「もしコンピュータに詳しい人にこれ(VisiCalc)を見せたら、『こんなもの何てことはない。Basicでも同じことができる』と言われただろう」と述べ、さらに「しかし、これをビジネスマンたちに見せて、彼らの抱える特定の問題を解決して見せれば、彼らはすぐさまクレジットカードを差し出しただろう」と語った。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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