シックス・アパート(関 信浩社長)は10月19日、ウェブログ構築ソフトの新バージョン「Movable Type 3.1日本語版」の法人販売を強化するため、ソフトバンクBB(孫 正義社長)と販売契約を行い、新たに法人向けパッケージ・ライセンスを販売開始すると発表した。同ライセンスは、ソフトバンクBBから、システムインテグレーション企業やウェブサイト構築企業などを通じてユーザーに販売される。出荷は年内を予定している。
「Movable Type」のパッケージ販売は、日本市場が世界初となるが、あくまで法人向けのパッケージ販売となり、量販店などでの販売は予定していない。来日した米シックス・アパートのバラック・バーコビッツCEO兼会長は、「個人から企業へブログ活用のシフトが始まりつつある。日本市場特有のニーズが米国、欧米に先んじて生じており、今後は、米国などでもこうしたパッケージ流通が実現するかもしれない」と、現在の市場背景を語った。
今後、シックス・アパートの法人向け販売は、(1)小規模企業など向けクレジットカード決済による同社サイトからのダウンロード販売、(2)ソフトバンクBBを卸会社とした、SIer、Webサイト構築会社を通じた法人向け販売――の2種類となる。同社からのダウンロード販売では、5ユーザー・ライセンスと10ユーザー・ライセンスを用意する。
ソフトバンクBBとの販売契約について関社長は、「今年7月から自社サイトでダウンロード販売を行ってきたが、法人ユーザーからクレジットカード決済だけでなく、見積書や請求書など、多様な決済方法が欲しいという要望を受けていた。そこで、今回、ソフトバンクを卸会社として、パッケージ形式で法人向けに流通することにした。基本的に法人向け販売は、ソフトバンクBBで行ってもらう」と説明。これまで、同社自らニフティやOCN、日立へ技術提供してきたが、今後はソフトバンクBBに法人販売を委託していく方針。
法人向けパッケージには、ライセンス証書(ライセンスキー)とCD-ROMが同梱される予定で、法人の規模に応じたライセンス単位を適用する。バージョンが「3.X」のうちは無償バージョンアップで対応し、バージョン「4.0」では、アップグレード費用が必要となる予定。
「Movable Type 3.1日本語版」の新機能は、(1)ページ構築を効率化する「ページのダイナミック(動的)生成機能」、(2)サイトの階層化を可能にする「サブカテゴリー機能」、(3)スケジュールに縛られない「記事投稿スケジュ ール機能」――の3つ。とくに「動的生成機能」では、PHPを新たに利用し、ページ構築を(1)「すべてスタティック」、(2)「アーカイブのみダイナミック」、(3)「テンプレートごと個別に選択」――できるようになり、ページが増えた時の再構築負担を軽減する。
また、ブログの企業利用のパターンとしては、(1)広報、(2)インフォマーシャル(商品プロモーション)、(3)EC関連、(4)イントラ――の4つを想定している。
今後の法人ユーザーの拡大に向けては、「Movable Typeワークショップ」を開催していく(共催/事務局はネオテニーベンチャー開発)。第一弾として、ウェブログのビジネス利用における基礎知識や「Movable Type」のインストール方法などを解説する「ビジネス初級コース」を、東京で11月19日(金)と11月27日(土)、大阪で11月24日(水)に開催する。
なお、10月19日をもって「Movable Type 3.0」のキャンペーン価格を終了し、新価格を適用した。教育機関やNPO(非営利特定法人)向けには、特別優待価格を用意する予定。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
「程よく明るい」照明がオフィスにもたらす
業務生産性の向上への意外な効果
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス