カリフォルニア州パロアルト発--ジェットコースターのようなインターネットの盛衰を潜り抜けてきた業界の先駆者らは米国時間15日、お楽しみはいま始まったばかりだと語った。
Eコマース企業にとっては、先々たくさんの機会と、それを活かすためにやらなくてはならないたくさんの仕事が待ちかまえていると、YahooやVeriSign、そしてNews.comを運営するCNET Networksの幹部らが語った。これは、Eコマースの誕生10周年を記念して当地で15日に行われたパネルディスカッションのなかで参加者が語ったものだ。
「まだ何も始めてさえいない。いま我々がやっているのは『Eコマース入門編』だ」と、YahooのCOO(最高業務責任者)Dan Rosensweigは述べ、さらに「次の10年は本当に面白くなるだろう」と付け加えた。
日付については議論の余地があるが、初めてのセキュアなEコマース・トランザクションが行われたのは、1994年の夏ごろだと言われている。現在はCendant が所有するNetMarketという会社が、1994年8月11日に初めての暗号化された取引をウェブ上で行い、Stingの音楽CD 「Ten Summoner's Tales 」を販売したと主張した。それ以来、Eコマースは比較的小規模ながら米国経済にとっての明るい材料となってきた。米商務省の試算によると、2004年度第二四半期における全米での小売売上高のうち、Eコマースは1.7パーセントを占めたという。
個人情報の盗難や詐欺、プライバシーの侵害、そしてウィルスやワーム、スパムといった迷惑行為など、オンラインショッピングの根幹を揺るがす脅威は増すばかりだが、しかし15日に行われたパネルディスカッションの参加者らは、Eコマースの占める割合が2桁に近づいていることについて熱心に語った。
CNETのCEOを務めるShelby Bonnieは、Eコマースのマイナス面に対して、企業各社がもっと積極的に攻撃を行える可能性を強調した。
「業界リーダーの各社は、ワシントンの連中が手出ししたがらないように、この問題を解決する必要がある」(Bonnie)
各パネリストは、今後数年間でEコマースがどう発展するかについて、新しいものから、数年前に発表されながらも未だ実現していないものまで、次々とアイディアを語った。音楽や映画、ゲームなどのデジタル製品の分野がもっとも劇的な発展を遂げるという意見については、大半の参加者の意見が一致した。また、インターネットに関するビジョンの持ち主らは、いわゆるパーソナライズやローカライズのための技術開発に取り組み、消費者のあらゆるニーズにどこでも応えられるウェブサイトをを作ろうとしている。
もうひとつの非常に有望な分野は携帯電話を使ったショッピングで、これはすでにアジア各国では大きなトレンドとなっているものの、米国内ではまだにそれほど定着していないものだ。
RosensweigとBonnie は、ウェブログや、Friendsterのようなオンラインのコミュニティが、音楽やゲームのお気に入りリストを通じてEコマースの機能を採り入れるようになると予言した。パネリストらは、オンラインオークションが、今後も引き続き成長し繁栄していくとの点でも意見の一致をみた。
Morgan Stanleyのネット株アナリスト、Mary Meekerは、今後数年間にウェブがより複雑になることから、サイトのサービス停止がもっと頻繁に起こることになると述べた。同氏はまた、長らく待たれていたオンライン上での「マイクロペイメント」がまもなく盛り上がるとした。しかし、同じくこのパネルディスカッションに参加したMerchant e-Solutions のCharles Jadallah (同社エグゼクティブバイスプレジデント)はこれに異議を唱えた。その結果両氏は、どちらの可能性が実現するかについて10セントの賭をすることになったが、これについてMeekerは、自分が勝った場合Jadallahはマイクロペイメントを使って、この10セントを払わなくてはならないと述べた。この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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