Googleが新たにリリースした検索ツールは次の製品--インスタントチャット--の布石なのだという話題が、Googleウォッチャーらの間で盛り上がっている。
こうした憶測は今に始まったものではないが、しかし先週いくつかの興味深い事実が明らかになったことで、その信憑性が高まることになった。その事実とは、Googleが今年の夏に写真共有サービスのPicasaを買収した際、「Hello」というインスタントメッセージ(IM)クライアントを手に入れていることだが、ただしこれに気づいている人はほとんどいないようだ。
一方、14日(米国時間)にリリースされた「Google Desktop Search」のコードからは、同社製品にIMを統合しようという大掛かりな計画の可能性がうかがえる。
Richard Smithという著名なセキュリティコンサルタントは、Google Desktop Searchのコードを調べた結果、プログラムファイルの中に「google_im://」という新しいプロトコルが含まれているのを発見したと述べている。(プロトコルとは、デスクトップソフトウェアがウェブブラウザとやり取りを行うための取り決めのこと。)「IMクライアントが準備中であることを伺わせる好例だ」(Smith)
Googleの関係者は、Smithが報告しているプロトコルについて、同社がIM製品を準備中であることを示す証拠ではないとし、このプロトコルは単にAmerica OnlineのInstant MessengerからIMデータを取得し、デスクトップで検索できるようにするためのコンポーネントだと説明した。
Smithはまた、Googleが今年株式公開(IPO)で17億ドルを集めて以来、最も野心的な新製品リリースとなったGoogle Desktop Searchの背景にある歴史も、一部明らかにしている。たとえば、このソフトウェアはGoogle Desktop Searchという名称になる以前、「Total Recall」という開発コード名で呼ばれていたことが、Smithがソフトウェア内で見つけたファイル名から明らかになった。Googleはこれを事実と認めたうえ、それ以前には「Fluffy Bunny」という別の開発コード名がつけられていたことも明かした。
その信憑性はともかく、技術マニアや投資家らはこうした憶測をせずにはいられないようで、Googleの次のステップに関しては噂が後を絶たず、同社の周りには映画「夢のチョコレート工場」のような永遠の神秘が取り巻いている。昨年には、同社がウェブブラウザやシンクライアント用オペレーティングシステム(OS)、検索可能なライブラリ/参考文献のデジタルアーカイブなどの開発に取り組んでいるとの噂がささやかれていた。このデジタルアーカイブのコード名は「Project Ocean」だという憶測もあった。
だが、Googleの過去を振り返れば、このように同社の将来を想像するのが無謀な話ではないことがわかる。1998年設立のGoogleは、この6年間で検索エンジンの専門企業から、広告ネットワークやショッピング比較サービス、電子メールサービス、ウェブパブリッシング製品を含む巨大なウェブポータルへと進化している。
Smithは、Google Desktop Searchのバイナリファイルに含まれるテキスト文字列の検出作業を行った結果、「google_im://」プロトコルの隣に「googlemail://」というプロトコルを発見した。同氏はこれについて、将来Google Desktop Searchが同社の無料ウェブベースメールサービス「Gmail」と連動する際に、googlemail://というGoogleのメールプロトコルが使用されるのではないかと推測している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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