Microsoft Windowsの最近のバージョンに含まれている「AutoPlay」技術をめぐる特許訴訟で、連邦地裁判事はMicrosoftに不利な裁定を下した。
インタラクティブテレビ技術を専門とする小さな会社、TV Interactive Data(TVI、カリフォルニア州モンテセレーノ)がMicrosoftを特許侵害で訴えている裁判で、カリフォルニア州北部地区連邦地方裁判所のJeffrey White判事は略式判決を求めたMicrosoftの3件の申し立てを退けた。
Microsoftの申し立ては3件とも、訴訟で議論されているTVIの特許が、既知の発明などの理由で無効だと訴える内容のものだった。WhiteはMicrosoftの主張について、根拠が不十分だとし、裁判はスケジュール通りに正式審理に入るとの判決を下した。
TVIは2002年に、WindowsのAutoPlay技術がTVIの保有する特許5,795,156号および 6,249,863号を侵害しているとして、訴訟を起こしていた。AutoPlayはWindows 95以降の全てのWindowsバージョンに含まれている。
AutoPlayは、CD-ROMなどの光学ディスクがWindows PCに挿入されるとそのなかのコンテンツを調べ、新ソフトウェアアプリケーションのインストールプログラムを立ち上げるなどの最適なタスクを自動的に実行する技術だ。
TVIの2つの特許はいずれも、「ストレージメディアの挿入が検知されるとプロセスをスタートする手段を備えたホストデバイス」をカバーし、「周辺機器へのストレージメディア挿入を検知し、自動的にアプリケーションを立ち上げる、ホストデバイス内の自動スタートドライバ」の詳細に言及する内容のものだ。
またMicrosoftは、TVIの特許はハードウェアに依存する内容のものだが、Windowsは純粋なソフトウェア製品なので直接的にTVIの特許を侵害するものではないなどとし、訴訟の中心となるTVIの訴えの却下を求める申し立ても行っているが、こちらは現在も係争中だ。この申し立てには、Microsoftが訴訟前にTVIの特許を知っていた証拠はないことから、Microsoftは故意にTVIの特許侵害を侵害したのではないとの主張も含まれている。この主張に対してTVIは、同社の最初の特許がMicrosoft特許の参考文献に挙げられていると指摘している。この申し立てに関する審問は12月17日に行なわれる。
「われわれはこの訴訟に自信を持っており、判事の判断を待っているところだ」とMicrosoftの広報担当Stacy Drakeは述べている。TVIの幹部にコメントを求めたが、回答は得られなかった。
TVIの代理人は、ミネソタ州ミネアポリスの法律事務所Robins, Kaplan, Miller & Ciresiが務めている。この法律事務所は昨年、Internet Explorerウェブブラウザの特許侵害をめぐるEolas対Microsoftの訴訟でEolasの側につき、Microsoftへの5億2100万ドルの支払命令を勝ち取った。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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