ドイツの通信機器メーカーSiemensが、Wi-Fiや3G携帯サービスと将来競合する新しいブロードバンド無線技術の普及を後押ししている。
Siemensは米国時間8日、Flash-OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)技術を利用した無線インフラ製品を開発するため、Flarion Technologiesと提携を結んだことを発表した。
同契約の下、FlarionはSiemensの製品仕様を満たす基本機器を開発することになる。Siemensは、来年の第2四半期にはFlash-OFDM製品を提供し始める予定だ。
VodafoneやNextel Communications、T-Mobileを含むいくつかの携帯電話サービスプロバイダ各社は、Flarionが提供する技術の試験をすでに開始している。Nextelは、この4月からノースカロライナ州でFlash-OFDMを利用した商用サービスを提供している。
Siemensは、同技術を早い段階から採用する大手通信機器メーカーの1社である。Siemensとの契約を取り付けたことは、同技術の促進に取り組むFlarionの活動に弾みをつけるはずだ。
Flarionは今年2月、ワシントンD.C.のある公共安全プロジェクトにMotorolaと共同で取り組んでいると発表したが、Flarionの同技術をMotorola製品に組み込む契約については言及しなかった。
OFDMは、ケーブルや無線システムのような単一の伝送路を利用して複数の信号を同時に伝送するための技術である。データは分割され、厳密に周波数が割り当てられた複数の搬送波に乗せられて伝送される。Flarionが独自に開発したFlash-OFDMという技術では、搬送波の周波数を高速に切り替えることで、特定の周波数帯域のなかに信号を分散させることが可能だ。
Flash-OFDMは、無認可で未使用の周波数帯を使って、1.5Mbpsという比較的速い接続速度を実現するため、魅力的な技術だ。携帯電話サービスプロバイダは、CDMA(Code Division Multiple Access)サービス上で300〜500kbpsのデータ転送速度しか提供していない。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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