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「デジタルホーム」を実現する通信技術の本命は?

永井美智子(CNET Japan編集部)2004年10月07日 21時10分
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 幕張メッセで開催中のCEATEC JAPAN2004では、家庭内のあらゆる機器がネットワークでつながる「デジタルホーム」の実現に向けて、次世代通信技術に関するさまざまな展示が行われていた。標準化や規制の壁など乗り越えるべき課題は残されているものの、各社は2005年から2006年の実用化を目指して開発を進めている。

  NECエレクトロニクスは、ウルトラワイドバンド(UWB)を利用したワイヤレスUSBのデモ機を展示していた。UWBの実験を行うには総務省の実験局免許が必要なため、会場ではデモの様子を撮影した映像を流している。

NECエレクトロニクスのワイヤレスUSB実験機。CEATEC JAPANで実際にデモは行っていない

  ワイヤレスUSBは、既存のUSBと同じように複雑な設定をすることなく機器同士を接続できる。「初回に機器同士の登録をすれば、お互いに近づけただけで自動的に通信が行える」(説明員)。

 現行のUSB用ドライバなどはそのまま利用できるため、開発資産を有効に利用できるとしている。通信速度は現行のUSB2.0と同等の480Mbps(通信距離3m時)を目標とする。ただし実験時の実測値については明らかにしていない。

 UWBは標準化をめぐって2つの規格が争っており、実用化に向けた障害となっている。NECエレクトロニクスはIntelなどが参加するMultiBand OFDM Alliance(MBOA)の方式を採用し、2005年6月にチップセットのサンプル出荷を行う計画だ。

電力線や同軸ケーブルを利用した通信も

三菱マテリアルはリアスピーカ(右)にPLCオーディオ受信モジュールを接続し、音楽を流していた

 三菱マテリアルは高速電力線通信(PLC)を利用したオーディオシステムのデモを行った。PLCは一般的に利用されている電力線を通信回線として利用するシステムで、コンセントを差し込むだけで通信が行える。ケーブルなどの配線が不要というメリットがある。ただしアマチュア無線などと干渉するおそれがあり、日本では規制の対象となっている。三菱マテリアルでは電力線を外部から切り離し、他のシステムに影響を与えない形でデモを行った。

  DVDプレイヤー側にPLCオーディオ送信モジュールを、リアスピーカ側にはPLCオーディオ受信モジュールを接続した。同社ではすでにPLCオーディオ送受信モジュールを製品化しており、別の部屋に置いたオーディオセットの音楽をスピーカーで聞くといったことが可能になるとしている。

松下電器はメディアサーバをc.Linkアダプタ(中央青)につなぎ、同軸ケーブルを通して映像をディスプレイに表示させていた

 松下電器産業は、同軸ケーブルを利用したc.Linkのデモを行った。c.Linkは通信速度が最高250Mbpsで、現在宅内に敷かれている同軸ケーブル配線やRF分配器がそのまま利用できる点が特徴だ。放送で利用されていない空き周波数を利用するため、PLCと異なり規制がないという優位性がある。年内には標準化団体Multimedia over Coax Alliance(MoCA)によって規格が決まる見通しだ。

  松下電器は1台のホームサーバから複数の映像信号を同時に配信し、ディスプレイに表示させるデモを行っていた。ホームサーバやディスプレイ、PCなどを同軸ケーブルに接続するc.Linkアダプタを2005年中に製品化する計画だ。価格は「無線LANアダプタと同程度にする」(説明員)といい、2〜3万円程度になるとみられる。

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