あらゆる場面で携帯電話が利用されるようになってきており、マナーに関する議論が何年も続いている。先頃、バス停付近であまりにも大声でしゃべっていたとして ワシントンD.C.である女性が逮捕されたことを受け、議論は頂点に達している。
28日付けのWashington Post紙によると、この女性が携帯電話で話していたところ、交通取り締まり中の警察官から、声があまりに大きく周囲の秩序を乱すとして注意され、最終的に地面に押さえつけられるに至ったという。同紙によると、警察官は彼女が電話で乱暴な言葉を使っていたと述べる一方で、女性は体をつかまれたので悪態をついたのだという。
Emily Post(全米で有名なエチケット本の著者)の孫で、Emily Post Instituteのディレクターを務めるPeter Postは、携帯電話が人々の礼儀正しさに対する感覚を鈍らせていると述べる。Postによると、問題は大声で話すことではなく、例えば、求職者の資格や、子宮摘出手術の詳細などのような、およそ公共の場にふさわしくない話題について携帯電話で話すことだという。同氏は空港の待合室で、ある女性が夫と携帯電話で、迎えに来る、来ないで喧嘩をしていた場に居合わせたことについて話した。その女性のおかげで、待合室にいた人全員が不愉快な思いをしたと、Postは述べた。
また、同氏は、マナーの悪い携帯電話利用者を単に無視すればよい、というものでもない述べる。人々は、双方向の会話よりも、一方的な会話の方が無視しづらいのだそうだ。
「一方的な会話を無視することはずっと難しい。聞かないようにすることは困難だ」(Post)
今年の夏にSprintから発表されたある調査結果によると、米国では成人の80%が5年前に比べ、携帯電話利用者のマナーが悪くなっていると感じているという。
また興味深いことに、人々は自分のこととなると、携帯電話のマナーがきちんと身についていると思うようだ。同調査の回答者のうち97%が、自分の携帯電話マナーを「非常に礼儀正しい」、あるいは「どちらかといえば礼儀正しい」と評価している。
携帯電話使用に関するPostのアドバイスは、早く出てくれと鳴り続けるこの小さな道具ではなく、自分が置かれている環境にもっと注意を払うべきだ、というものだ。
「携帯電話の奴隷ではなく、支配者であれ。みんながそうすれば、自ずと問題はなくなる」(Post)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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