McAfeeは、急増中の「フィッシング」と呼ばれるオンライン詐欺対策に役立つ機能を盛り込んだ、スパム対策ソフトとパーソナルファイアウォールソフトの最新版を発表した。
米国時間28日に発表された「SpamKiller」の最新版は、多層式のフィルタリングエンジンを使って、フィッシング詐欺に用いられるものを含む、望まないメールや詐欺的なメール、悪質なメールなどを弾くようになっている。このフィルタはベイズ理論を用いた技術をベースにしており、過去の例から学習して受信を拒否するメールの種類を決定する。またこのフィルターは、電子メール内の画像のなかに隠されたコードを検出できる。スパム対策エンジンをすり抜けるのにこうした画像が使われているという。
フィッシングの手口は次のようなものだ。まずCitibankやeBayなどの企業から、口座情報の期限切れを知らせるメールなどが送られてくる。ただし、これが実は偽装メールで、なかにあるリンクをクリックすると、ニセのウェブサイトへ飛ぶようになっており、メールの受信者は騙されてこの偽サイトで個人情報を入力してしまう。
McAfeeによると、すでに200万人近くの米国人ユーザーが、こうした不正なウェブサイトで個人情報を開示しており、100万人以上がそうとは知らずにフィッシング詐欺の被害に遭っている可能性があるという。
「全フィッシング攻撃の90%以上が昨年1年内に発生したと報告されている。この事実が物語っているのは、個人ユーザーに、これらの詐欺がどのようなものか、また急増している脅威から自分や家族を守るためにはどうすればよいのかを啓蒙し、脅威を認識させることが急務だということだ」とMcAfeeのシニアバイスプレジデント、Bill Kerriganは声明の中で述べている。
同社は今後定期的に発行するアップデートに、フィッシングをスキャン/検出する機能を盛り込んでいくとしている。これらのアラートは、SpamKillerのユーザーへ自動的に送られる。
同社はこの日「Personal Firewall Plus 2005」も発表した。この製品にはユーザーをセキュリティの脅威から守るための侵入防止技術が搭載されている。この技術は、PCの状態を監視し、振る舞いに異常なパターンが見られないかをチェックするもので、ユーザーの身元情報を盗もうとする者やハッカー、ワームなどの脅威からユーザーを守るよう設計されている。McAfeeでは、このファイヤウォール機能について、未承認の通信を遮断する役に立つと説明している。
Personal Firewall Plusは年間39.99ドルのサブスクリプション料金を支払うことで利用できる。また、SpamKillerのほうは年間料金が34.99ドルとなっており、両製品ともMcAfeeのサイトからダウンロードできる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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