Microsoftは年内にロシアで廉価版のWindowsを発売する。海賊版ソフトウェアやLinuxからロシアの消費者を引き離すのが狙いだ。
またMicrosoftは、Windowsの比較的安価な簡易版である「Windows XP Starter Edition」を、アジアで4カ国目となる某国で発売することを今週中に発表する。その国がどこかはまだ明らかにされていないが、これでWindows XP Starter Editionが発売されるのは全世界で5カ国目になる。
Windows XP Starter Editionは、世界で最も成長の速い市場である開発途上国の顧客を増やすためのMicrosoftの試みだ。このバージョンのWindowsは、通常のWindowsとはいくつかの点で異なっている。たとえばこのバージョンでは、このオペレーティングシステム(OS)上でユーザーが同時に立ち上げられるプログラムの数は3つに制限されているほか、ホームネットワーク機能はついていない。
このバージョンは認可されたPCにプレインストールされる形でのみ出荷され、小売店頭でのOSのみの販売は行われない。
一方、このOSの価格は通常のWindowsよりはるかに安い。情報筋によるとStarter Editionは約36ドルで、PCメーカー向けのWindows XPの通常料金より70ドル以上安いという。またStarter Editionには初めてのユーザーをサポートするため、チュートリアルCDとローカルコンテンツが含まれている。
このように低く抑えた価格のおかげで、MicrosoftはLinuxデスクトップに対する同OSの競争力を高められる、と同社幹部らは述べている。Starter Editionの顧客はパッチやアップデートを入手できることから、このOSがプレインストールされたPCのほうが、海賊版ソフトウェアの入ったPCよりも魅力的になるだろう、とMicrosoftは期待している。
ロシアはブラジルやインド、中国とならんで、ハイテク企業にとって大きなビジネスチャンスをもたらす市場の1つに数えられている。Intelのある幹部は、ロシアと中国が今後数年で最も急成長する2つの市場になりそうだと述べている。Kraftwayはロシアの主要PCメーカーの1つだ。
またロシアは、自国を技術開発とアウトソーシングの中心地として売り込むようになっている。ロシアで成功した有名なハイテク企業には、ウイルス対策専門企業のKaspersky Labsや、赤道上のプラットフォームからロケットを発射して商用の人工衛星を配置する、ロシアとウクライナとノルウェーと米国のジョイントベンチャー、Sea Launchなどがある。すでに複数のベンチャー投資家らがロシアへの投資を行っている。
一方、ロシアは違法コピーの問題も深刻だ。Business Software AllianceとIDCが7月に共同で実施した調査によると、同国で使われているソフトウェアの97%が海賊版で、中国、ベトナム、ウクライナ、インドネシアの各国に続いて、違法コピーの割合が高いという。ただし、BSAの発表する数字は得てして高めになりがちだとの批判の声もある。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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