Cisco Systemsは米国時間20日、SAN(Storage Area Network)向けのスイッチ新製品2種類を発表した。この新製品を利用して、企業は 遠く離れた場所にあるストレージ・コンピュータ同士を簡単に接続できるようになる。
この新製品は特に、企業が分散拠点にディザスタリカバリ(災害復旧)ネットワークを構築する際に役立つものと同社は説明している。企業は、同製品により、複数拠点間での情報の複製や格納が可能になり、それらの情報にどこからでもアクセスできるようになる。
今回発表されたCisco MDS 9216iファブリック・スイッチとCisco MDS 9000 Multiprotocol Services Moduleの2つは、2Gbpsのデータ転送速度を持つ14のファイバチャネル・ポートに加え、2つのギガビット・イーサネット(1GbE)ポートを備えている。1GbEポートでは、FCIP(Fibre Channel over Internet Protocol)とiSCSI(Internet Small Computer Systems Interface)のいずれかをサポートする。
ファイバーチャネルは、ハイエンドのストレージ・ネットワーク構築に使われる標準技術だ。一方、イーサネット上でブロック単位のデータ転送を行うよう設計されたSCSI技術で、TCP/IPプロトコルの1つであるiSCSIは、中小企業やワークグループ向けの市場で人気を集めている。また、FCIPは離れた拠点にあるSANとの接続を主眼に置いたものだ。
新製品は、CiscoのSAN向けOSであるSAN-OS 2.0をサポートする。同OSはすべてのMDS 9000スイッチ製品で使われているもの。同OSでは、ハードウェアベースのデータ圧縮、FCIPテープ装置アクセラレーション、ハードウェアベースのIPSec暗号化、ファイバチャネル・バッファリングの拡張といった機能が提供される。これらはすべて、SANをより効率的に、低コストで、より安全にMAN(Metropolitan Area Network)やWAN(Wide Area Network)へと拡張する機能だ。
イーサネットスイッチとIPルータ業界リーダーであるCiscoだが、SANスイッチ市場への参入は比較的遅かった。だ。同社はSANスイッチの新興系企業であるAndiamo Systemsを25億ドルで買収することで、2年前に同市場に参入している。SANは、Ciscoが従来までコアとしてきたビジネスをさらに拡張するにあたって狙いを定めている、複数ある市場のうちの1つである。
SANスイッチ分野におけるCiscoの競合メーカーには、業界リーダーのBrocade Communications SystemsとMcDataの2社がある。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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