ユーザーがテレビ画面からA/V機器を制御できるようにするための新しい標準が登場するが、これによりテレビがホームエンターテインメントの中心としての立場を守ることになるかもしれない。
業界団体の米国家電協会(CEA)は米国時間20日、ウェブブラウザベースの通信を利用する、ユーザーインターフェイス(UI)の標準を発表すると語った。この標準が実現すれば、ネットワークに接続したパソコンやデジタルビデオレコーダー(DVR)などの機器を、メインのテレビ画面からリモコンひとつで制御することが可能となる。
「CEA-2027」と名付けられたこの技術は、ネットワーク接続したあらゆる端末を完全に制御でき、端末メーカーが定義した独自の機能も全て使えるようになる点で、これまでのホームネットワーキング標準とは異なると、CEAは説明している。
ネットワークが張り巡らされた未来の家庭で、どの端末が中心的な立場を占めるかをめぐっては、すでに戦いが勃発している。PCメーカー各社が「リビングルームでも使える」エンターテインメント指向のコンピュータを売り込んできている一方で、強化されたDVRもデジタルコンテンツ管理機能を売り物にしている。CEAの新しい標準は、高品位テレビ(HDTV)もこの主導権争いに加わることを示唆するものだ。
「この標準によって、テレビは将来も引き続き、単なる画像の表示を超えた付加価値を消費者の視聴体験にもたらすことになる。さらに、テレビは家庭でのエンターテインメントを制御するインテリジェントなデバイスとなる」と、CEA会長のGary Shapiroは声明のなかで述べている。
この新しいユーザーインターフェイス標準は、FireWire(IEEE-1394)で接続した機器向けのもので、CEAではこの標準を拡張し、イーサネット接続をサポートすることも計画している。
CEAでR7ホームネットワーク標準委員会の会長を務めるBill Roseによると、メーカーのなかには、自社のブランドとしての個性を失うことを恐れるあまり、自社製品にネットワーク接続機能を搭載するのに後ろ向きな企業もあるという。
「新しい標準により、テレビメーカーは、UI全体のルックアンドフィールを決定できることに加え、コントロール画面間のナビゲーションも決められるようになる。また、CEA-2027では、接続された端末でメーカーのロゴを表示したり、すべての制御機能を提供することも可能になる」(Rose)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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