Microsoftのもつ大きなアドバンテージは、Virtual Serverの値段の安さだ。Virtual Serverは、2種類の製品が用意されているが、その1つは最大4プロセッサまでをサポートし、サーバ1台あたりの価格が499ドルの標準版で、もう1つは最大32プロセッサまでをサポートし、999ドルで販売されるエンタープライズ版である。
「Virtual Serverはかなり安く購入できるが、これはわれわれの採用するアプローチや戦略が同製品には欠けているからだ」と、VMwareのMullanyはいう。「わが社の製品には、エンタープライズ向けのさまざまな機能があるが、Vertual Serverにはこうしたものはない」(Mullany)
そういいつつも、VMwareではこの巨大なライバルの登場を真剣に受け止めている。
「自社の市場にMicrosoftが参入してくるとなれば、かならず心配になるし、またそのことに注意を払わなければならない」(Mullany)
仮想のデュアルプロセッサマシンのサポートなど、よりハイエンドな機能については、いまのところVMwareのような他社製品のほうに分があると、アナリストや競合メーカーらは述べている。また、Virtual Serverを使ってLinuxを動かすこともできるが、Microsoftのプログラムの上で動くLinuxが優遇されないことは明らかだ。
Microsoftは、新規顧客へのVirtual Serverの売り込みに関して、仮想化技術の利用による潜在的なコスト削減効果に焦点をあてている。同社は、GartnerアナリストのTom Bittmanの言葉を引用し、仮想化技術を利用する企業は、利用しない場合と比べて、サーバの運用コストを25%以上も節約できるとしている。
Microsoftは現在Virtual Serverを独立した製品として開発しているが、アナリストらは、基本的な仮想化機能はまもなくWindowsの一部となり、またサーバを動かすプロセッサのなかにも組み込まれると予想している。
「やがて、基本的な仮想化技術はOSの一部となり、ハードウェアでさえもその機能を取り込むことになるだろう」と、IlluminataのアナリストGordon Haffは述べている。
その結果、VMwareのようなソフトウェアメーカーは、こうしたシステムを管理できるようなソフトウェアへと開発の中心をシフトさせつつある。「VMwareが本当に力を注ごうとしている分野は、単に仮想マシンを作り出すことではなく、それらを管理/利用できる機能のほうだ」(Haff)
VMwareのMullanyは、Microsoftの参入後も市場で優位を保ち続けている企業として、管理コンソールなどを開発するCitrixの名を挙げた。
「Microsoftとの競争に敗れた企業は、自社の革新性を維持できなかったところだ」(Mullany)
一方Intelも、仮想化に関して2つの関連する機能を自社のPentium、Xeon、Itaniumの各チップに与え、複数のOSを動作できるようにする計画だ。同社ではデスクトップ用チップに、Vanderpool Technology(VT)を、またサーバ向けのチップにはSilvervale Technology(ST)を、それぞれ組み込む。Intelは、これらの機能がVMwareのような企業の役に立つと予想しており、2006年に登場する次期Windows「Longhorn」では、これらの技術が実装されるとしている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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