サンフランシスコ発--IBMは来年、同社の高性能コンピューティング向けOpteronサーバに、 Advanced Micro Devices(AMD)のデュアルコアチップを搭載する。同社はこの発表を米国時間9日に行う予定。
新しい「e326」という製品は現行のOpteronチップを搭載したものが来週発売になり、デュアルコア版のほうは2005年半ばに登場すると、同社のAlex Yost(eServerグループ・マーケティング担当ディレクター)は語った。
同社は主要サーバメーカーのなかで最初にOpteronを採用しており、2003年にAMDがこの戦略的に重要なチップを発表した当日に、同チップのサポートを表明していた。Opteronプロセッサには、競合するIntelのXeonチップと同様に、64ビット対応の機能が追加されており、大容量のメモリを利用しやすくなっている。
しかし、 Hewlett-Packard(HP)とSun Microsystemsでも今年に入ってOpteronの採用を決め、それぞれが同チップ搭載サーバを、高性能コンピューティングというニッチな分野ではなく、主流の用途に向けた製品という位置づけで販売している。
Yostはこの点に関して、一般用途向けのOpteronサーバにはまだ十分な需要がないとしている。同氏の話では、顧客は金融モデルの計算処理や電子機器の設計といった技術的な用途向けのシステムを求めているが、多くの汎用アプリケーションでは取り扱えるメモリ容量の大きさや64ビット対応といったOpteronの長所が活かされないという。
デュアルコアチップは現在大きな注目を集めており、特にサーバ向けとしてはこの傾向が顕著だが、これはサーバ用のソフトウェアには並行処理機能を利用するよう書かれたものが多くあるためだ。AMDは先週デュアルコア版のOpteronのデモを行っている。また、今週サンフランシスコで開催中のIntel Developer Forumでは、Intelがデュアルコアの「Montecito」チップを4基搭載したSilicon Graphicsのサーバや、デスクトップ用デュアルコアプロセッサのデモを行った。Montecitoは、将来登場予定のItaniumチップの1つである。
IBMのe326サーバの価格は2189ドルからとなっているが、大半の顧客が4000ドル以上するさらに高性能な構成のマシンを選ぶことになるとYostはいう。こうしたシステムは、最大16Gバイトのメモリ搭載が可能で、100MHzのPCIスロットを2つもつほか、e325に採用されたものより高速なメモリを搭載している。これらのマシンは、高さ1.75インチのラックにマウントして使う。
IMBは複数のサーバで構成した「eServer 1350」という高性能コンピューティング向けのクラスタシステムを、自らではクラスタの構築を行いたくない顧客に提供している。e326を利用したe1350のシステムが11月には出されると、Yostは付け加えた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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