Apple Computerがパリの舞台から発信した秋の流行は、洗練されたデザインの新型iMacだった。
新しい一体型iMac G5は、ハードディスク、プロセッサ、DVDドライブなど、すべてのパーツをワイドスクリーン液晶ディスプレイの後ろ側に搭載している。新iMacは、厚さが約2インチ(5センチ)で、メタルスタンドの上に本体が載っており、同社が先に発売したCinema Displayと似たプロポーションとなっている。
Appleは、第3世代にあたる一体型iMacのデザインを現地時間8月31日にパリのApple Expoで公開したが、これによりネット上で飛び交っていたかなりの数にのぼる憶測も終りを迎えることになった。AppleはiMac G5の仕様をひた隠しにしていたが、そのようなことなどお構いなしに、多数のウェブサイトがあらゆる可能性について発言していた。
今回の発表では、Appleが強調するポイントにも変化があった。同社のデスクトップコンピュータのデザインはここ数カ月、iPodデジタル音楽プレイヤーのルック&フィールに隠れて影が薄くなっていた。Appleは自社ウェブサイト上で、iMac G5はiPodに劣らず「楽しく、便利」だと主張している。実際、新型iMacをデザインしたのはiPodデザインチームで、Appleはそれを「魅惑的(enchanting)」と称している。
Appleのワールドワイド・プロダクトマーケティング担当シニアバイスプレジデント、Phil Schillerは、「iPodの生みの親なら次世代コンピュータをどうデザインするだろう?」と語り、Macファミリーの新メンバーに込められた思いをパリの発表会で明らかにした。
iMacシリーズは、iPodの評判をある程度利用できるかもしれない。同音楽プレーヤの売上が急増する一方で、iMacの前バージョンの売上は徐々に勢いを失っていた。
同社はもっと早めにこのマシンを発表したかったはずだ。Appleは当初、新型iMacが7月に登場することを正式に認めていた。この時点で同社は、iMac G4の注文受付をストップし、同モデルの在庫が払底する前にまったく新しいモデルを出したいと述べていた。しかし、G5プロセッサが不足した結果、同社の思惑ははずれてしまった。
Appleのウェブサイトでは、31日から新iMacの注文受付を開始しているが、出荷のほうは9月中旬から始まる予定だ。この結果空白期間が生じるため、同社は2004年度の新学期シーズンの大半をコンシューマ向けデスクトップマシンなしで過ごさなければならないことになる。
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