カナダ騎馬警官隊(Royal Canadian Mounted Police:RCMP)が、Nortel Networksの会計処理に関する強制捜査に正式に乗り出した。同社の会計処理問題が、一層泥沼にはまり込んでいる。
Nortelは現地時間16日、RCMPから強制捜査に入ることを知らせる書簡を受け取ったと発表した。同社は、捜査には全面的に協力すると述べている。同社によると、RCMPはすでにNortelの会計処理について非公式に調査してきたという。
捜査に関するニュースが発表された数日後には、同社から2004年上期決算の速報値が発表される予定だった。
オンタリオ州ブランプトンに本社を置くNortelは今年の決算発表をまだ行っていない。同社では現在、過去の業績を見直しており、2001年、2002年、2003年の決算を修正報告する予定だ。2003年の最終的な数字については、9月末までに申告することになっている。同社は、未監査の2004年上期決算を8月19日に発表する予定だと2週間前に述べていた。
Nortelを調査しているのは、RCMPだけではない。当初7億3200万ドルと発表していた2003年の利益が、実際にはその半分だったと3月に発表したことを受け、いくつかの政府機関が捜査に乗り出した。
Nortelの米国本社があるテキサス州の連邦検察局も5月に独自の強制捜査を開始している。また、米証券取引委員会(SEC)やオンタリオ証券委員会も同様に調査を行っている。
また、4月には社長兼最高経営責任者(CEO)のFrank Dunnをはじめ、3名の最高幹部が解雇された。
こうした会計処理の問題を抱えているにもかかわらず、Nortelは数々の契約を勝ち取っている。先週、同社はインド最大の通信事業者Bharat Sanchar Nigamと、無線ネットワーク機器提供に関する大型の契約を交わしたことを発表した。この契約のおかげで、Nortelは今後数年間で5億ドル以上もの売上を手にすると言われている。同社がインドで無線関連の大型契約を獲得するのは、これが初めてだ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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