ロンドン・ニューハム地区の情報通信技術担当責任者は現地時間16日、Linuxの導入をほのめかして、Microsoftにライセンス料金の大幅な割引を迫ったわけではないと主張した。
ニューハム地区の情報通信技術担当責任者を務めるRichard Steelは、ニューハム地区とMicrosoftとの提携を進めるためのイベントで講演を行った。その中で同氏は、先ごろ行ったWindowsとオープンソースの評価について、公明正大なものだったと主張した。
Steelは同日、「われわれは真剣に取り組んだし、Linuxについても慎重に評価した」と、ZDNet UKに語った。
Microsoftは、今回締結した新しい契約のおかげで、ニューハム地区は今後5年間で589万ドルの経費を節減できる見込みだと述べた。同契約の下で、ニューハム地区は、Office 2003 ProfessionalからSQL Server 2000まで、Microsoftの製品を12種類導入することになっている。また、同地区の社会福祉事業部門ではTablet PCのテストも行っている。
これを受けMicrosoftは、ニューハム地区のケースを引き合いに出し、同社のソフトウェアがLinuxよりも価値を提供できると主張している。
これに対し、オープンソース支持者たちは、オープンソースを採用しないようニューハム地区議会を説得するために、Microsoftはかなり大幅な割引を行ったと主張している。ライセンス料金を値下げしてもらう目的で、Linuxに移行すると言ってMicrosoftを脅す行為を意味する「Newhamする(doing a Newham)」というフレーズまで生まれてしまった。
同日の記者会見で、Steelは、MicrosoftがLinuxと競合していることが、確かにより良い条件を引き出すうえで、役に立ったと認めた。
昨年、Microsoftが提案したソリューションを検討したコンサルティング会社のCapgeminiは、別のコンサルタンティング会社Netprojectが提案したオープンソースシステムよりも、Microsoftの提案の方が良いという結論に達した。
CapgeminiのエグゼクティブコンサルタントのLeslie Burrは、記者会見の席上で、Microsoftのソフトウェアに比べ、オープンソースのソフトウェアのほうがより多くのセキュリティ問題を抱えていると述べた。
「Microsoftが自社のさまざまなシステムのセキュリティにかなりの時間とエネルギーを投資したと確信している」(Burr)
Windowsのセキュリティ上の脆弱性を悪用するウイルスやワーム、トロイの木馬の発生が一向におさまらないことを考えれば、Microsoftの方が安全だという理由で採用されたことは驚きに値する。
マルウェア(悪質なソフトウェア)の多くはInternet Explorerのセキュリティホールをついている。しかし、Steelはニューハム地区議会がオープンソースのブラウザMozillaを採用した方が安心だとは思っていないようだ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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