ファイル共有技術を支持する者たちが、PtoPネットワークを介して最新のWindowsアップデートを配布している。これは、PtoPネットワークが商用ソフトウェアを合法的に配布する役割を果たせることを示すための取り組みなのだそうだ。
PtoP技術の支持団体Downhill Battleは、MicrosoftのWindows XP Service Pack 2(SP2)のコピーをSP2torrent.comというサイトで公開し、BitTorrentファイル共有システムを使ってこれを共有できるようにした。
Downhill Battleの共同創設者Nicholas RevilleはCNET News.comに対し、「PtoPが役に立つことを示すなら今だ。連邦議会は、利用者にいかなる意図や目的があってもPtoPを使用することは違法扱いにしようと、本格的に検討し始めている」と語った。
Revilleは、連邦議会で審議されているInduce Act(誘発法)についても言及した。同法案には、「著作権法に違反する行為を意図的に誘発する者」は、誰であっても法的責任を負わなければならない、と記されている。
Downhill BattleはSP2の配布に加え、Induce Actをめぐる議会答弁のビデオもPtoP技術を使って配信している。
Microsoftのコードを配布するという行為は、ほかの法律に違反している可能性があると、アナリストらは述べる。SP2は無料だが、PtoPを使って配布することは、Microsoftのライセンス契約違反になる可能性が高い。
MicrosoftはDownhill Battleの行為に関して具体的なコメントを差し控えているが、Windowsの自動アップデート機能を有効にしてアップデートが自動的にダウンロードされるようにすることが、SP2の最善の入手方法だ、と繰り返し強調した。
MicrosoftのセキュリティプログラムマネージャーStephen Toulouseは、「(プログラムの配布方法について)われわれも常にいろいろな方法を検討している。PtoPの難しいところは、何が手に入るか分からないことだ」と語った。
Downhill Battleが今回の取り組みを行う一方で、先週SP2をメーカーに出荷したMicrosoftは、個人がこれをダウンロードできるようになるのは、今月後半だと述べている。
実際、Downhill Battleが配布しているのは、個人向けのアップグレードではなく(こちらはまだ入手できない)、Microsoftが米国時間9日にIT技術者向けにリリースしたNetwork Installationキットである。このファイルの容量は約270Mバイトで、これは個人ユーザーが自動アップデートで入手するダウンロードファイルの3倍以上にも匹敵する。また、Windows XPの異なるバージョンが動作するマシンをたくさんアップグレードしなくてはならない企業向けに設計されたものである。
ネットワークインストーラもMicrosoftのサイトから無料でダウンロードできるが、同社は、個人ユーザーが自分のマシンをアップグレードするために利用するものではないと警告している。
Microsoftのサイトには、「コンピュータを1台だけアップデートする場合は『ダウンロード』ボタンをクリックしないで下さい。サイズの小さい、適切なダウンロードファイルがWindows Updateからまもなく入手できるようになります」という趣旨の英文が、太い大文字で書かれている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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