ソフトウェア分野に力を入れるインテル

John G. Spooner(CNET News.com)2004年08月09日 10時00分
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 PCのハードウェア市場で圧倒的支配力を持つIntelが、ソフトウェアウェア事業の強化を進めている。この動きは、同社による他市場への進出や技術革新の促進に大きく寄与する可能性がある一方、Microsoftなど長年のパートナー企業からの反発も予想されている。

 Intelは20年以上の間、PC業界の心臓部を担ってきたプロセッサのメーカーとして知られている。だが、事情に詳しい情報筋によると、Intelはその間、密かにソフトウェアエンジニアを集めてきており、現在その数は8000人以上に上るという。

 Intelの幹部は、同社のエンジニアの数が5000人を超えていることは認めたが、それ以上の具体的な人数についてはコメントを避けた。しかし同社はここ数年、製品群を拡大してきており、それと共に同社が抱えるソフトウェアエンジニアの人数も急増している。エンジニアたちの労力の大半は、依然として同社のハードウェアを動作させる作業に注ぎ込まれているが、現在は多くのエンジニアが、新しいユーザーインタフェースの構築、Linuxソフトウェアの開発、Windows PCへの新機能の追加といった、以前なら古参のソフトウェアメーカーに委ねられていたと思われる業務にも取り組んでいる。

 Intelが過去数年間に遂げた進化の中でも、ソフトウェアの重要性の高まりはあまり認知されていない部分だ。同社は単に高速チップを開発し、それらをPCメーカーに売るのではなく、製品カテゴリ全体を拡大・発展させていこうとしている。低消費電力プロセッサに無線モジュールとチップセットを組み合わせたノートPC用チップバンドル「Centrino」の発売は、こうした取り組みの成果の一例だ。

 Centrinoのような製品では、各コンポーネントを組み合わせる上でソフトウェアが重要な役割を果たす。IntelはPCの機能性を強化するためのいくつかのイニシアチブを発表しており、さらに家電市場での自社の存在感を高めようとしていることから、この変化は向こう数年間に、より一層顕著になっていくと見られる。

 Intel社長のPaul Otelliniは、先ごろCNET News.comとのインタビューに答え、次のように述べた。「われわれは製品や市場を全体的に捉えている。コンピューティングだけでなく、通信関連やソフトウェアといった製品も提供する.....われわれは新しいプラットフォーム製品の発売と共に、これまで以上に、さらに多くのソフトウェアを提供していく」

独自OSの開発予定はなし

 Intelは、開発ツールの販売からWindows用ドライバ/アプリケーションケーション開発に至るまで幅広く事業を展開しているものの、独自のオペレーティングシステム(OS)を発売する明確な計画は今のところない。その代わりに、ソフトウェアが新機能の実現や新市場の開拓の役割を担っている。

 そのようなアプリケーションの一例としては、PROsetソフトウェアが挙げられる。同ソフトウェアはCentrinoバンドルの一部である無線モジュールの制御を行なうものだ。

 Intelは、先ごろ発売したExpress 915/925チップセットを搭載するPCのユーザーが、無線アクセスポイントを設定する際に役立つPROsetソフトウェアの類似版を発売する予定だ。このユーティリティを利用すれば、マウスを数回クリックするだけで任意のアクセスポイントを設定でき、複数のアクセスポイントを設定することで、無線ルータを別に用意する必要がなくなる。

 技術革新を促進する上でソフトウェアが極めて重要と判断したハードウェアメーカーはIntelだけではない。

 Sun Microsystemsもここ1年、ソフトウェア開発の取り組みを強化してきた。同社はJavaベースのデスクトップ/サーバソフトウェア、および新しい管理ツールを発表したが、これらの新製品の売上で、ハードウェアの売上減を相殺するのが同社の狙いだ。

 IBMも、ソフトウェア部門をハードウェア/コンサルティング両部門の売上拡大のための戦略兵器として、一層重視している。同社にとって、ソフトウェア部門は収益源でもある。IBMの年次報告書によると、2003年の同社のハードウェアの売上は280億ドルで、利益が80億ドル弱だったが、一方ソフトウェア部門は売上こそ140億ドル強でハードウェアを下回ったものの、120億ドルの純利益をあげた。

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