丸善と京セラコミュニケーションシステム(KCCS)は3日、丸善の子会社である丸善システムインテグレーション、丸善システムサービスのコンピュータ事業、丸善コンピューターシステムの3社を統合し、その後新会社となる丸善システムインテグレーション(MSI)において、資本・業務提携すると発表した。MSIは、資本提携後に社名を京セラ丸善システムインテグレーション(KMSI)に変更する。
資本提携において丸善は、子会社MSIの発行済み株式600株の60%にあたる360株をKCCSに譲渡する。予定譲渡価額は33億円。これにより、KCCSはKMSIの経営に参加する。株式譲渡日は9月30日を予定しており、10月1日に新会社KMSIが発足する。KMSIの2005年3月期の予想売上高は107億円。
丸善 代表取締役社長 村田誠四郎氏(左)と、KCCS 代表取締役社長 森田直行氏 |
両社はKMSIを運営するにあたって、それぞれの保有する技術やノウハウを互いに提供し、協力することでパートナーシップを形成するという。KMSIは、丸善子会社として得意分野である学術・教育及び図書館などの文教市場や、医療市場、出版業などにおけるソリューション事業において、KCCSの持つネットワーク構築及びセキュリティ関連技術、モバイルソリューション、データセンターインフラなどを導入する。これにより、総合ITソリューションおよびITサービスの提供をめざすという。
丸善は、KMSIとの関係を強化し、特に文教市場に対してITを核とした事業展開をこれまで以上に積極的に行うという。丸善代表取締役社長の村田誠四郎氏は、「少子化が進む現在、文教市場では競争が激化し、新たな経営手法を模索している。このような状況下で、魅力のある学校をめざす大学などではIT化が進んでおり、KMSIの役割はますます重要になる」と述べる。
「文教・医療市場には以前から注目していた」というのは、KCCS代表取締役社長の森田直行氏。「丸善がソリューションパートナーを探していると知り、お互いシナジー効果が望めるパートナーだと確信した。両社の技術は重複部分もなく、事業の相乗効果は高い」(森田氏)。KCCSは、KMSIを通じて文教・医療市場への新規参入が実現するとともに、丸善との業務提携や、丸善社内情報システムのKMSIを通じたアウトソーシングにより、小売流通業界の業務ノウハウの取得をめざすという。
今後両社は、それぞれの特長を活かし、様々な分野での提携を視野に入れているという。具体的な内容については、今後検討していくとしている。
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