エキサイトは7月29日、2003年度の決算を発表した。売上高が過去最高となったほか、営業利益、経常利益、当期純利益ともに倍増した。この業績をもとにジャスダックに上場申請を行い、2004年度中の上場を目指す。
売上高は前年度比33.9%増の48億1200万円、営業利益は同119.6%増の3億500万円、経常利益は同125.0%増の3億1300万円、当期純利益は同126.1%増の3億1200万円となった。
ページビュー、ユニークユーザー数も順調に伸びている。2004年6月のユニークユーザー数は1日当たり214万6000人となり、2003年4月時点に比べ63%増となった。ページビューは掲示板サービスの停止によって一時落ち込んだものの、2004年6月には1日当たり2720万ページビューとなり、2003年4月時点に比べ40%増となっている。
分野別の業績を見ると、広告売上が前年度比29.2%増の24億3200万円となった。エキサイトはターゲットを都市圏に住むM1F1層(20〜34歳の男女)に絞っており、広告単価が高いことが業績に寄与した。特に女性向けサイト「Woman.excite」は広告主の反応が高く、広告売上高の約20%を占めるという。ただし広告以外の売上が伸びたことから、売上高に占める広告の割合は約50%にまで低下した。
有料コンテンツの売上高は前年度比13.1%増の16億400万円となった。エキサイトフレンズのほか、新たに開始した「エキサイト恋愛結婚」も有料会員数が8000人、月間売上高が1000万円となり、順調に推移しているという。また、オンラインゲームの売上高が約3億円となっている。
2004年度は「Open Up!!」を標語に、限られたターゲットに向けたコンテンツの充実を図る。なかでも力を入れるのが、ゲームと音楽を中心とした有料コンテンツだ。オンラインゲームは4月に「シールオンライン」の課金が始まり、有料コンテンツの月間売上高が6700万円になった。8月は「フリフオンライン」や「ユニバーサルコマンド」などの課金も開始する。このため「2004年度はオンラインゲームだけで8億円程度の売上になるのではないか」(エキサイト代表取締役社長の山村幸広氏)と自信を見せる。
音楽コンテンツ事業では、楽曲配信数を年内に10万曲に拡大するほかライブ映像の配信なども行う。「iPodやiPod miniの販売もあり、市場が盛り上がりを見せている。(音楽情報やインタビュー記事なども含めた)音楽総合サイトとしてYahoo!ミュージックを追撃したい」(山村氏)と意気込んだ。
エキサイトではオンラインサービスだけでなく、各社の店舗と連携したサービスも拡大していく。8月には美容院向けのASPサービス「BBサロン」を開始する。美容院の店舗でエキサイトのコンテンツが見られるほか、美容師向けに商品や技術講習の映像配信などを行うもの。2〜3年で3万店舗にまで拡大する計画だ。これにより、女性をターゲットに認知度の向上を図る。将来的にはアンケートやサンプリングなどの事業につなげたいとしている。
株式公開についてはジャスダックに上場申請を行い、今期中の上場を目指す。「1996年のヤフー上場以来、ポータルサイトで株式公開をした企業はない。われわれは特徴あるコンテンツで差別化を図っていく」(山村氏)とした。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス