しかし、その後iPodが登場し、一気に人気をさらってしまった。そして、このiPodがWMAフォーマットに対応していないことから、両社では計画の変更を余儀なくされた。つまり、もはやMicrosoftの技術に依存することも、2つのバージョンを用意することも、Appleに互換性実現を求めることも必要なくなったからだ。
SunnCommは今年夏の後半に、またMacrovisionは来年初めに、それぞれ新世代の技術を発表する。これらの技術を使えば、CDをリッピングしてMP3ファイルを作成するのとほぼ同じやり方で、コンピュータや携帯プレイヤー用の曲を簡単に作成できるようになる、と両社は説明している。
これらの技術を採用する音楽CDには、ソフトウェアが組み込まれ、このソフトウェアが、iPodや、Rio KarmaなどのMicrosoft互換プレイヤー、あるいは消費者が使う可能性のあるどのデバイスでも再生可能な新しいコピー防止機能付きファイルを作成するという仕組みだ。
Macrovisionのマーケティングシニアディレクター、Adam Gervinは、「現在では、次々と新しい携帯音楽プレイヤーが人気を集めるようになっていることから、CDのなかに移動可能な楽曲ファイルを固定的な形で収める時代が終わっている」と語った。
少なくとも理屈の上ではそういうことになる。だが、Appleに関する問題は片づいていない。つまり、同社は「FairPlay」というiPodで使われているDRM技術をまだどこにもライセンス供与していないからだ。
ただし、この分野の進展を示す兆候もいくつかある。MacrovisionのGervinは、同社が最終製品にAppleのコードを採用するライセンスを受けているのかどうかについては言及を避けたものの、それでもレコード会社に対してはすでにiPodをサポートすることを表明していると語った。一方、SunnCommのJacobsも、Appleが必要なツールを提供してくれることについては楽観視していると述べている。
実際、もしAppleが自社のDRM技術をコピー防止機能付きCD用にライセンスできるとすれば、条件によってはこれが将来有望な新しい収益源になる可能性もある。なお、Appleはこの件に関してコメントを差し控えた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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