米上院は米国時間25日、連邦検察官による著作権侵害容疑者の訴追を認める法案を圧倒的多数で可決した。この法案には、違反者に対し、数万から数十万ドルに上る罰金を科せるとの項目も含まれている。
著作権専門の弁護士やピア・ツー・ピア(PtoP)企業のロビイストらの間では、「Pirate Act」と呼ばれる同法案についての警戒感が高まっていた。これまで彼らは、レコード業界が数千人のPtoPユーザーに対して起こした訴訟の成り行きを不安と共に見守ってきていたが、同法案が上院で可決されたことで、米司法省がさらなる野心を抱くのではないかとの懸念を抱いている。
上院のリーダーらは、25日の採決が出席議員の全員一致が要求される手続きの下で行なわれるよう予定を組んでいた。今後Pirate Actは、映画館でのビデオカメラの使用を有罪とする関連法案と共に、下院に送られ採決されることになる。
Pirate Actが25日に上院で満場一致で可決されたことにより、エンターテインメント業界は重要な立法上の勝利を収めたことになる。これまで同業界は、加熱の一途をたどるファイル交換ネットワークの人気に対して歯止め策を取るよう、議会に対し必死に圧力をかけてきた。音楽業界が起した民事訴訟で十分な抑止効果が得られなくても、司法省が起こす連邦訴訟であれば十分な効果が期待できる、というのが業界側の考え方だ。
Pirate Actの有力支持者の1人であるOrrin Hatch上院議員(共和党、ユタ州選出)は、これまで多数の民事訴訟を起すよう訴えてきた。同議員は、同法案への支持を表明した際に次のように述べた。「必要な抑止力を生み出すためには、何万件もの民事訴訟を継続的に提起することが必要だろう.....そのような運動を起こせるだけのリソースや倫理的権限を備えた非政府組織があるとは思えない」
一方、PtoPサービス企業の業界団体P2P Unitedのエグゼクティブディレクター、Adam Eisgrauは「Pirate Actが成立すれば、司法省はエンターテインメント業界のための民事訴訟を専門とする法律事務所になってしまう」と反論。なお同団体には、BearShare、Blubster、Grokster、Morpehus、eDonkeyなどが参加している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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