マイクロソフトとヤフーは24日、相次いで無料メールサービスの容量拡大を発表した。マイクロソフトのHotmailは現行の2Mバイトから250Mバイトに、ヤフーのYahoo!メールは現行の6Mバイトから25Mバイトへと順次拡大する。
Googleがベータ版とはいえGmailサービスを開始し、容量を1Gバイトとしたことで、同様のサービスを提供する企業では相次いでメール容量の拡大を発表している。米Yahoo!も先日、無料メールサービスの容量を100Mバイトにすると発表したところだ。
マイクロソフトとヤフーは同時に、有料メールサービスの容量も拡大するとしている。これにより、両社の有料サービスの容量は最大2Gバイトとなる。具体的には、年間2520円のMSN Hotmail Plusのメールボックス容量が2Gバイトとなり、月額294円のYahoo!プレミアム会員が12Mバイト、ブロードバンド接続サービスのYahoo! BB会員が25Mバイトとなる。ヤフーでは、利用者の意向を踏まえて「秋には最大2Gバイトの容量を提供する予定」としている。
サービスの開始時期は、ヤフーが8月までに開始、マイクロソフトがこの夏より順次としている。開始時期を「順次」としていることについて、マイクロソフトでは「サーバを止めずに負荷分散しつつ、徐々に増強を行うため」としている。増強作業がすべて完了するまでに約1カ月かかるという。
マイクロソフト執行役 MSN事業部長 塚本良江氏 |
現行のMSN Hotmail追加容量サービスを利用しているユーザーのうち、約3分の1は無料サービスの容量不足が有料サービスへの移行のきっかけとなっているという。無料サービスの容量が増えることで有料サービスを解約するユーザーも想定されるが、現在MSNの国内における収益は「9割が広告」(マイクロソフト執行役 MSN事業部長、塚本良江氏)となっていることから、収益への影響は少ないと見られる。なお、マイクロソフトの有料サービスは年間契約となっているが、申し込み30日以内であれば解約および返金を受け付けるという。
無料メールサービスとしては国内で最大の250Mバイトという容量を提供することについて、マイクロソフトの塚本氏は、「競合に対して常にベストなサービスを提供したい」とし、GoogleのGmailの1Gバイトという容量が念頭にあったことも認めている。MSNでは、30日間アカウントが未使用の場合にはアカウントが失効するようになっており、現在抱えている国内ユーザー490万人というのは「すべてがアクティブユーザー」(塚本氏)だという。塚本氏は「アクティブユーザーでこれだけの人数を抱えているのは国内ではMSNのみ。広告主にとってはアクティブユーザーの数が意味をなすため、今後もアクティブユーザー国内トップをキープすべく、サービスの向上をめざしたい」と述べた。
いっぽうのヤフーでは、「ビデオリサーチインタラクティブのWeb Repotによると、2004年5月時点のYahoo!メールユーザーは約311万9000人で、Hotmailユーザーは211万7000人に過ぎない」(ヤフー マーケティング部 広報担当、細川正人氏)と、ユーザー数については同社が国内最大だと主張する。今回の容量拡張がHotmailには及ばない点について細川氏は、「容量が大きいだけでは差別化につながらない」としている。「容量は、ハードディスクさえ増やせば対応できることだ。重要なのは、セキュリティ対策や他のサービスとの連携性を向上させ、ユーザーに様々なサービスを提供できること。Yahoo!メールは、ヤフーの提供する他のサービスとスムーズに連携できることが大きな特徴だ。また、特に日本では携帯電話でのメール対応が重視されると思うが、携帯電話で無料メールサービスとの連携が取れているのはYahoo!メールのみだ」(細川氏)
なお、セキュリティ対策については、MSNは今回の容量増強と同時に、ウイルスメールの自動検知駆除サービスを無料で提供すると発表している。現在Yahoo!メールでは、ウイルスメールの検知は無料、駆除は月額210円で提供しているが、「(料金の改定は現在のところ計画はないが)今後のバージョンアップに伴い、ウイルス対策についてはさらに効率を高めたい」(細川氏)としている。
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