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オンラインゲーム市場を狙う大手IT企業の思惑 - (page 2)

David Becker(CNET News.com)2004年06月21日 10時00分
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 Sojourn DevelopmentというゲームメーカーのCEO兼エグゼクティブプロデューサー、Dave Cerraによると、数年前からゲーム業界のアウトソーシングに対する考え方が変わり始めているが、これはレンダリングやゲーム内での物理計算といった複雑な作業を扱うミドルウェアが出現したからだという。今やゲーム開発者らは既成のツールを使って特徴のはっきりしたゲームを作れるという発想に慣れてきており、アウトソーシングを利用するアプローチはオンラインコンポーネントにも広がりつつある。

 「もはや1つの企業が全てをこなすのは不可能だ」とCerraは指摘し、さらに次のように述べた。「今後ある種の仕事を全て社内でこなすために多額の資金を投じるか、それとも自分はこの企業の中核技術開発に資源を集中させるか。私のような立場にある人間は、果たしてどちらが費用対効果が高いのかを考えてみる必要がある」(Cerra)

 SojournはButterfly.netと協力して、今年後半にサービス開始予定のButterflyのオンラインゲーム「Glympse」のネットワークコンポーネントの運営に当たる。当初Cerraは、軍事計画やビジネスでの利用を目的に開発した技術を、IBMやButterflyの創業者らがゲームに応用できるのかについて疑問を抱いていたが、少なくともその技術が防御の役割を果たすことは分かっていたという。

 Cerraは「Butterfly.netの技術の多くは『Star Wars』ミサイル防衛構想の研究から生まれたものだ」と述べ、さらに「これらの技術には人々をあっと言わせるような要素も含まれている。しかし、問題は『この技術が果たしてゲームに応用可能か否か』という点だ。Butterfly.netはわれわれにそれが可能であることを証明した」と語った。

大きな実験の場

 開発者らはアウトソーシングを利用することにより、ゲーム体験を向上させる高度な技術の恩恵を享受できる。Butterfly.netでは、各プレイヤーが1つのサーバに縛られないため、一段と広いオンラインゲームの世界を実現できるという。

 Sunは現在開発中のオンラインゲーム用サーバシステム「Sun Game Server」で、Butterfly.netと同様の技術向上を実現すると公約している。Sunのこのシステムは、プレイヤーらが利用可能な各サーバに全てのゲームコンテンツが複製されるという従来の典型的手法とは対照的に、ゲームロジックやデータベースが中央サーバに保存され、各プレイヤーがアクセスする、より小型のサーバが接続されている。

 Sunの最高ゲーム責任者(CGO)Chris Melissinosによると、このシステムを採用することにより信頼性とスケーラビリティ(拡張性)が強化されるだけでなく、同じゲーム内でプレーできるユーザー数が1台のゲームサーバで対応可能な3000〜10000人に制限されないため、各プレイヤーは広大なオンラインゲームの世界を体験できるという。

 Melissinosは「現在のオンラインゲームの運営方法では、プレイヤーは物事を各シャードの中で体験する」と述べ、さらに「(現行の運営方法でも)ユーザーは(ゲームの中で)別のプレイヤーと同じ物を見ることができるが、別のシャードにいるため、全く異なる体験をすることになる」と語った。

 Melissinosは、シャーディングがオンラインゲームの技術的限界として一般に許容されているとした上で、「消費者が次世代オンラインゲームでも(シャーディングを)我慢してくれるかどうかは定かでない」と語った。

 SojournのCerraも、サーバやネットワーキング技術の向上により、オンラインゲームに対する消費者の期待が変化していくため、オンラインゲームの世界の拡大や対応の迅速化が重要なポイントになると予想している。「今後は、シャードに分かれていない(ゲームの)世界の実現といったことが、マルチプレイヤーゲームで成功するための真の差別化要因となるだろう」(Cerra)

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