DVDやゲームの複製ソフトウェアで有名な321 Studiosが、一連の新たな訴訟を抱え、波瀾万丈の短い歴史の幕を閉じる可能性があると、同社CEO(最高経営責任者)のRobert Mooreが米国時間16日に明らかにした。
同社は、大手ビデオゲーム企業3社から15日に訴訟を起こされたが、これらの企業では、321 Studiosが先日リリースした「Games X Copy」ソフトウェアが著作権法に違反すると主張している。これまでも、サンフランシスコ地方裁判所の判事が、人気の高い321のDVD X Copyに対して、著作権保護プログラムを回避できるとの理由から、これを違法とする判決を下したことがある。同判事は、同製品の市場からの回収を命令していた。
一時は400人の社員を抱えていた同社は、現在約20人を残して全員を解雇してしまった。まだ判断は下していないが、最新の訴訟が操業停止の引き金になる可能性は十分ある、とMooreは話している。
「それも、われわれが現在検討中の選択肢の1つだ。カリフォルニア州の裁判に負けるまでは満足のいく経営ができていた。だがそれ以降は状況が悪化し、最悪の事態にまで発展してしまった」(Moore)
セントルイスに本社を置く同社は、娯楽関連版権物の公正使用の概念を主唱してきた。この概念は基本的に、消費者にはCD、DVD、ビデオゲームなど、個人使用の目的で購入した製品の複製が許可されるべきだというもの。
音楽ディスクの大半には複製を防ぐコピープロテクトがかかっておらず、著作権法では個人用のバックアップCDの作成を認めている。しかし、DVDや多くのソフトウェアおよびビデオゲームは複製を防ぐデジタル著作権管理(DRM)ツールを使って、複製を防止している。著作権法はこれらの保護技術を回避できるツールの配付を禁じているが、いっぽう消費者には合法的に購入したコンテンツを個人的に複製する権利がある。
コンテンツ企業側では、DVDやゲームを複製するソフトウェアは、家庭でのバックアップに利用されるだけではなく、広範な著作権侵害を助長した、と主張している。
ESA(Entertainment Software Association)会長のDouglas Lowensteinは15日、同ゲームメーカーの提訴を発表する声明の中で、「ビデオゲームの著作権所有者は、Games X Copyのような製品によって可能になる著作権侵害で、膨大な損失を出すことになる」と述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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