Hewlett-Packard(HP)は、Sendmailと電子メールソフトウェアに関する販売契約を結んだ。これまで長年Microsoftと同盟を組んできたHPにとって、最新の動きとなる。
米国時間6月10日に発表されたこの契約の下で、HPはSendmailのいくつかの製品を提供することになる。主力は、自社のProLiantサーバ上で動作するスパム対策製品だ。Sendmailの事業開発担当エグゼクティブバイスプレジデントのGreg Olsonはこの取引について、2001年に開始したジョイントマーケティング協定という限定的な関係から発生したものだと述べている。
「ジョイントマーケティングや共同マーケティングはデートのようなものだった。われわれは、再販(の契約)でステディな関係に進化した」とOlsonは言う。
HPは、Microsoftと長い協業の歴史を持ち、MicrosoftのExchangeはSendmailと競合関係にある。だが、HPはLinuxも提供しており、先日は新しいオープンソースソフトウェアパートナーとも提携している。HPは5月、データベースのMySQLとJavaプログラムを動かすアプリケーションサーバのJBossという2つの主要なオープンソースサーバソフトウェアパッケージのサポートを提供すると発表した。
Sendmailのソフトウェアは、同名のオープンソースパッケージをベースとしており、インターネット上で1台のコンピュータから別のコンピュータに電子メールを転送するのに広く使われている。Olsonによると、製品のソフトウェア著作権を完全に所有するSendmailは、大規模なプロプライエタリソフトウェアスイートの土台として同製品を提供するという。
オープンソースのコンポーネントは「この商用製品にも含まれているが、おそらくコードの15%を占める程度」とOlsonは言う。
このようにオープンソースとプロプライエタリソフトウェアを含む混合型モデルを提供しているのは、Sendmailだけではない。MySQLや組み込みデータベースのSleepycat Softwareも混合型を提供している。
ジョイントマーケティングの時とは異なり、今回の再販契約では、警告文の自動添付や、ポルノ情報やウイルス付きメッセージのフィルタリングなどを含む、Sendmailの他のプロプライエタリなアドオン機能Mailstreamは含まれていない。
Sendmailは2001年にも別の会社と同様の取引を結んでおり、これによりDellが同社のソフトウェアを流通させることになっていた。だがこの提携は、インターネットバブル崩壊後にDellが行ったコスト削減の犠牲になり、立ち消えになったという。
「あの計画は幻のまま終わってしまった」とOlsonは語る。「Dellのあの部門は景気下降の犠牲となった。バブル崩壊とともにわれわれと協業していたDell側のグループ全体が解雇されたのだ」(Olson)。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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